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県内建築士が耐震補強の重要性を呼びかけ 「アクション #防災とやま」

2024年10月11日 21:16
県内建築士が耐震補強の重要性を呼びかけ 「アクション #防災とやま」

災害への備えを考える「アクション 防災とやま」です。

こちらのグラフ、これは能登半島地震で亡くなった人の死因の内訳です。

最も多かったのは、倒壊した建物の下敷きになるなどの「圧死」で、全体の4割を占めました。

県内の建築士たちが耐震補強の重要性を呼びかけています。

こちらの映像は、元日の午後4時すぎ、石川県珠洲市で撮影されたドライブレコーダーの映像です。

立っていることができないほどの大きな揺れが襲うなか、木造住宅が相次ぎ倒壊していく様子が映し出されていました。

大きく揺さぶられ、バランスが崩れると一気に崩れ落ちていきます。

能登半島地震で全壊した住家はおよそ6千件、半壊はおよそ1万8千件に及びます。

倒壊した木造住宅には、共通点があったと話すのは、富山市の一級建築士、山﨑寛生さんです。

輪島市に住む親類を支援するため、被災地に通いました。

「衝撃を受けたのが倒壊している建物がもうあまりにも多いなと 1階だけくしゃっとつぶれているという建物がいたるところにあって これ輪島の朝市のところの通りにある写真なんですが シャッターであったり窓であったり壁のない こういうところがどうしても耐震上弱くなってしまって」

災害復興住宅を建設するため、応援に行っている県建築士会の根塚三起生副会長も。

「珠洲も輪島も行ったんだけど家がとにかく古いですよね 1階に壁がない 能登全体のイメージなんですけど屋根が大きい、重い 耐えるとか踏ん張るではなく一気に来る。それが怖い」

建築基準法は、大きな地震が起きるたびに改正され、1981年(昭和56年)6月より前は「旧耐震基準」、それ以降は「新耐震基準」です。

阪神・淡路大震災を受けて、2000年、基準はさらに厳しくなりました。

能登半島地震でも被害が集中したのは、旧耐震基準の住宅でした。

高齢者世帯の場合、経費がかかる改修は手付かずで、富山県内も能登の事情と重なります。

どのような耐震補強が必要なのでしょうか。

築50年以上のこちらの物件は、リノベーションに合わせて、柱や壁、基礎の量を増やし、接合部に金具を取り付ける改修をしています。

「耐震で特に必要なのは耐力壁と呼ばれる壁をバランスよく設置するということなんですが 筋交いという形のものを活用して耐力壁を作製していると このお宅の場合はこのピンクに塗ってあるところが新しく筋交いを全て入れている場所になります」「縦揺れはですね この柱がこの土台から外れるという現象が地震の時によくあった 柱が土台から抜けるのを防ぐという意味で 金物を付けなさいというのが平成12年(2000年)に決まりました」
記者「着色した所は新たにつけた?」
「新しくつけた金物です 強い引き抜けの力がかかる部分にはより強い金物でないと駄目だと」

耐震補強の効果を確かめた実験があります。

左は耐震補強をして現在の耐震基準を満たす木造住宅、右は旧耐震基準のままの住宅です。

震度7相当の揺れに対し、補強していない住宅は、崩れ落ちましたが、補強した住宅は倒壊しませんでした。

米田木材 企画部 岡本和久部長 一級建築士
「倒壊をしなければ逃げる時間ができるということですよね。逃げる時間ができたら大切な人たちが一旦避難できる。耐震改修といったらですねここまでしなきゃいけないの、みたいなイメージが結構あると思うんですけど 壁の部分だけを耐震改修する、またあとは外壁を解体して外側から耐震改修するという方法もございますので、専門家に相談をいただければしっかりとした耐震改修の方法をご提案できるというふうに思う」

能登で復興を支援している根塚さんもー。

「じいちゃんばあちゃんもう何年生きるかわからんがに今からどれだけ金かけたってそんなもんって。だから何も耐震改修進まない状態になるので せめて居る場所と寝る場所だけ(耐震改修を)やりましょうよと そうすると自分が隙間があるところにちゃんといられるので潰されて死ぬってことが少なくなる」

県建築士会は有志で家具の転倒を防ごうと「かぐてんぼう隊」を結成し、自分の身を守るため家具を固定する取り組みを広めています。

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