「至るところに空き家があってびっくり」南砺市で進む物件活用の動き KNBこども放送記者がリポート
5月5日のこどもの日にあわせ、北日本放送は、県内の小学生に放送記者として地域のことを取材してもらう取り組みを1975年から続けています。
30日は、南砺市で進む空き家活用の動きをリポートします。
「私は、井波小学校6年の上田綾那です、私が住んでいる街にも空き家がありますが、なぜ空き家を活用する必要があるのか、調べてみたいと思います」
話をきいたのは南砺市の井波地域で不動産業を営む小西正明さんです。
空き家の活用に取り組むアキヤラボという組織の代表も務めています。
空き家がどのように活用されているのか、案内してもらいました。
こちらのパン屋は、築50年以上の空き店舗を使って営業しています。
店主は、旧大山町出身の大田直喜さん。県外で修業して富山に戻り、1年前にこの店をオープンさせたということです。
上田記者
「なぜここで、パン屋をやろうと思ったのですか」
大田直喜さん
「私たち、お店で使っている材料は、基本的にオーガニックを厳選して使っていまして、お店のカフェとかに提供しているメニューとかで、無農薬の材料を、近場で作っている方から仕入れたかったので」
大田さんは、井波という地域を大変気に入っているようでした。
大田さん
「住んでから1年半になるんですけども、よその地域から来た方でも、あたたかく迎え入れてくださって」
上田記者
「私も、ここのパンが食べたくなりました。ありがとうございました」
大田さん
「ありがとうございました」
街なかを案内してもらうと、通りの至る所に空き家があってびっくりしました。
空き家がうまれるのは、住んでいる人が年を取って高齢者施設などへ移ったり、相続する人がいなかったりといろいろな理由があるということです。
小西正明さん
「だんだんだんだん空き家が増えていくと、街自体が寂しい感じになって、もっと人が、賑わうような、街になれば楽しいだろうなと」
上田記者
「街が賑やかになると、私もうれしいです」
小西さん
「空き家には、やっぱりいろんな複雑な問題が絡まっていて、その絡まった糸を、一つ一つほぐし解くような感覚で研究しているような感覚で、仕事をやっております」
空き家を活用する取り組みが本格的に始まったこの10年間で、店舗や宿泊施設といった商業活動の場として生まれ変わったのがおよそ50軒、さらに住宅としておよそ30軒が生まれ変わったということです。
つづいて案内してもらったこちらの空き家。
小西さん
「中はこういうようなかたちで…」
この建物は、キッチンカーで提供する料理の調理場所やデリバリー専用のお店として利用できるほか、動画制作の場として利用が見込まれるということです。
上田記者
「ここの天井とか、そういうのだけを生かしてなんか、他のは変えるという感じなんですか」
小西さん
「うん、そうですね。20代30代の方たちは、全部新築でやられるよりも、やっぱこういう、古いものを好きな方が多いですね。そういう資源を、大切に使っていけたらいいなと思っています」
上田記者
「どうやって、多くの空き家を再生させているのですか」
小西さん
「はい、建物の持っている魅力を、最大限にアピールして、アキヤラボでもいろんな方がいますので、水道管を直したり電気工事を請け負ったりいうような方たちが総動員して、挑戦する方たちをサポートしています」
空き家を活用したい人の思いに寄り添い、抱える不安を解消することが、取り組みがうまくいくかどうかの分かれ道になっていると思いました。
上田記者
「記者をやってみて、相手から、伝えたいことを引き出すのが大切だと思いました。でも、相手から、伝えたいことを引き出すのは、とても難しかったし、緊張しました」
1日は、富山市の小学生が、北陸新幹線が敦賀まで開業し、観光など地域経済への効果が期待される中、富山駅周辺の変化についてリポートします。