コンビニで印刷した偽1万円札を支払いに使った男の裁判員裁判 男は「仕事がなかなか見つからず」~山口地裁~
ニセの1万円札をタバコ代の支払いに使ったとして、偽造通貨行使の罪に問われている男の裁判員裁判が今月20日山口地裁で始まり、男は起訴内容を認めました。
偽造通貨行使の罪で起訴されているのは、山陽小野田市の無職の男(24)です。
起訴内容などによりますと、男はことし6月8日の午後0時ごろ、長門市内の個人商店において、タバコ1個の購入代金の支払いとして偽造の1万円札を本物のように装って手渡し、使用したとされています。
今月20日、山口地裁で始まった裁判員裁判で、男は「間違いありません」と起訴内容を認めました。
裁判のなかで検察側は、「男はネット上の1万円札の画像をコンビニで印刷して切り貼りするなどし両面とも表面のニセ札をつくった」としたうえで、「お店に機械の入金レジがないことから気づかれないと思い、見破られても謝れば許されるだろうと犯行に及んだ」として、「相手の信用を悪用する犯行」などと指摘しました。
一方弁護側は、公訴事実については争わないとしたうえで、「仕事がなかなか見つからずお金に困っていた状況で、突発的に犯行に及んだ」などと主張しました。
裁判のなかでは、犯行からおよそ2時間後に個人商店の店主の夫が両面に福沢諭吉の絵柄が印刷されていることを不審に思い、警察に通報したことで今回の事件が発覚したという経緯も明らかになりました。
裁判は、今月21日に結審し、24日に判決が言い渡される予定です。
■偽造通貨行使罪
(刑法148条2項)無期懲役または3年以上の懲役