阿武町の4630万円の振込ミスに端を発した電子計算機使用詐欺事件で、1審で有罪判決を受けた被告の控訴審の初公判が8日、広島高等裁判所で開かれ即日結審しました。判決は6月11日に言い渡されます。

　電子計算機使用詐欺の罪に問われているのは、田口翔被告（26）で、午前10時半前、弁護士と一緒に広島高裁に入りました。田口被告は、スーツ姿で黒いネクタイ、長髪を後ろで束ね、厳しい表情を見せていました。

　田口被告はおととし4月、自身の口座に振り込まれた4630万円が阿武町から誤って振り込まれたものと知りながら別の口座に振り替え、不法の利益を得たとされています。

　１審では田口被告の一連の行動が「電子計算機使用詐欺罪」の構成要件である「虚偽の情報を与えた」ことになるのかどうかが争点となりましたが、山口地裁は、懲役3年・執行猶予5年の有罪判決を言い渡し、被告側が控訴していました。

　被告側は2審でも無罪を主張、検察側は控訴の棄却を求めています。

　控訴審は即日結審しました。判決は6月11日に言い渡されます。