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夫婦で金沢に移住しカレー店を始めて30年…シリーズわたしの原点

2024年3月19日 18:44
夫婦で金沢に移住しカレー店を始めて30年…シリーズわたしの原点

大型店がひしめく中、個人で長くお店を続けている人がいます。シリーズ・「わたしの原点」。
今回は、30年以上続くカレー専門店を営むご夫婦です。

食欲をそそる香り。ここは金沢で30年以上続く、カレーの専門店です

びっしりとツタに覆われた欧風カレーの店、シエスタ。「シエスタ」はスペイン語で「昼寝」や「昼寝をするための休憩」を意味します。
東京で働いていた2人は、結婚後、妻・恵子さんが学生時代を過ごした金沢でお店を始めました。

吾郎さん:
「金沢という限定の理由はあまりないんですけど、規模が適当で、文化的な人たちも多く住んでいるところで店をしたいなと」

恵子さん:
「子ども生まれて7・8か月ぐらいの時に突然、「仕事辞めてお店しようかな」って突然言われまして(笑)」

吾郎さん:
「全くの素人だったので、周りからは反対。「そんなに甘くないぞ」みたいなことをよく言われたんですよ」

師匠を持たず、オリジナルで作り上げたカレー。まろやかさの中に、しっかりと辛さもあるクセになる味です。

恵子さん:
「自分たちがおいしいと思うカレーを常に出していきたいってことやよね」

吾郎さん:
「最初は「こういうカレーどう?」みたいな感じが、どうしても若いし、あったような気がするんです。でも、最近はそこら辺がもう、「どう?」じゃなくて、「いいでしょ?」ぐらいな感じで(笑)」

カレールウは週に2回、ご主人が仕込みます。

吾郎さん:
「これぐらいのタマネギなんですけどね。特に最初の1時間半、火力全開なので気を緩めると焦げついちゃうし。今から4時間、闘いが始まるんです(笑)」

カレールウに甘みと深みをもたせるタマネギ。
1時間半を超えたころには、あめ色に色づいていきます。じっくり、じっくりと、時間をかけて。香ばしい香りが厨房に広がります。

吾郎さん:
「秘伝のレシピがあるわけでないので、ちょっとずつ、改良というか進化はしているはずですけど…こいつがないとウチのカレーは出来ない」

オープン当初から寒い時期の定番になっているのが「ヤキカレー」。自慢のカレールウと濃厚なチーズ、キャベツがアクセントになっています。

恵子さん:
「このカレーしか作れない。やっぱり、お料理ってその人が出るんです。同じレシピで作ってもその人の体を通すと、その感じになるし、だからウチのカレーは、私たちであるみたいな」

手間暇かけたカレーを食べて、シアワセな気持ちで帰ってもらいたい。たっぷりの愛情と、ちょっぴり、スパイスの刺激を求めてお客さんが足を運びます。

恵子さん:
「おいしかったとか、すごく満足した顔で帰って行かれる姿っていうのは本当に励みになるし…」


吾郎さん:
「自分の目の行き届く範囲でやっていたのが良かったのかも知れない。他人に任せないと大きくならない。でも、他人に任せられないからだからこそ、続けられたのかもしれない。本当はもっとうまくやりたいとか、いろいろ…(笑)」

恵子さん:
「とにかく、細く長く…」

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