あす、金石港周辺で開かれる「出張輪島朝市」。
そこに出店する創業100年の漆器店を営む女性を取材しました。

「ここが道路で道路からここがうちやってん。はぁ」
輪島市の朝市通りに漆器店を構えていた高森洋子さん80歳。

元日の火災で店の建物や商品、長年使ってきた道具など多くを失いました。

高森さん：
「店もなくなってしまって、売るところがないし」

こうした中、金沢市の金石港周辺で有志が集まり出張朝市を開催することに。
高森さんは自宅に残っているわずかな在庫を売り出すことにしました。

高森さん：
「なんとひどいことになってるがいね。これが商品のはずやけど」
「結構残ってるわ」

幸いにも商品を保管していた場所は倒壊を免れ、販売できそうな商品が数十個ほど見つかりました。

そして、きょう。
準備が進められている金石港の会場では。

高森さん、今回の出張朝市に出店したくても商品が燃えてしまった仲間に自分の在庫をわけることにしたのです。

漆器仲間 竹原さん：
「ありがたいですよね。同業者だしね。明日それで頑張って」
高森さん：
「この際みんなで分け合ってという気持ちで私だけ儲けんでもいいわと思って」
「売れる売れんよりこういう風に商いできることがすごくうれしい」

仲間とともに、朝市の灯を絶やさないために。
高森さんはそんな思いを胸にあすの「出張輪島朝市」に臨みます。