【解説】『梅雨寒』という日が今年あまりないのはなぜ?<蒸し暑い理由>を気象予報士が解説(宮城)
今年の梅雨は気温の高い日が続き、『梅雨寒』という日があまりない。
この雨なのに蒸し暑い理由を、ミヤギテレビの小杉気象予報士に解説してもらう。
小杉気象予報士)
去年や今年、宮城に来た方にはピンと来ないかもしれないが、梅雨の宮城は肌寒い日があるのが普通。
4年前の2020年7月の映像を、ご覧いただく。
街中では、長袖の上に上着を着ている方の姿があった。
この日は、最高気温でも19℃ちょうど。半袖一枚では肌寒いくらいのまさに『梅雨寒』だった。
この日だけが、特殊だったわけではなく、今の映像の翌年 (2021年)も7月に最高気温で19℃くらいという日があった。
こうした『梅雨寒』は、オホーツク海高気圧が原因だ。
ここに高気圧があると「やませ」と呼ばれる冷たい海風が吹きこむため、宮城など東北の太平洋側は長袖が手放せない梅雨となる。
ただ、このオホーツク海高気圧が今年はほぼいないのだ。
今年梅雨入りが発表された日からの天気図。
6月23日、梅雨前線が北上してきて東北地方の『梅雨入り』が発表された。
この時はオホーツク海に高気圧もいたが、この高気圧はすぐいなくなり、さらにその後は全くといっていい程オホーツク海に高気圧が現れていない。
実は、去年からこうした傾向があり、このため梅雨であってもムシムシした気温の高い日が続くようになっている。
さらに、7月11日に発表された『1か月予報』の気温の予想を見ても、気温は来週高い、再来週も高い、その次も高い、気温は平年より高い状態が続く見込み。
今年も『梅雨寒』ではなく、気温の高い梅雨となりそうなので、引き続き『熱中症』に注意が必要だ。