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【特集】前週の「1.5倍」に…『インフルエンザ』感染広がる クスリの供給は?専門医「治療薬には”複数の選択肢”がある」(宮城)

2025年1月9日 19:56
【特集】前週の「1.5倍」に…『インフルエンザ』感染広がる クスリの供給は?専門医「治療薬には”複数の選択肢”がある」(宮城)

『インフルエンザ』の感染が、広がっている。
12月29日までの1週間の宮城県内の『インフルエンザ』患者数が、前週の「1.5倍」近くに増えたことが、分かった。

なぜ、急激に感染が広がっているのかー。

12月29日までの1週間、定点調査による宮城県内の『インフルエンザ』患者数。
県全体では、1医療機関あたり「47.41人」と前週と比べて1.5倍ちかくになったほか、エリア別にみると「仙南」74.14人、「大崎」50.60人、「仙台」45.64人などとなっている。

宮城県によると、患者の6割以上は19歳以下の若い世代で、冬休みが明けて学校が再開したことなどから、県は今後も感染が拡大する恐れがあるとみている。

現在の『インフルエンザ』の感染状況について、専門家に聞いた。

東北大学病院・総合感染症科 青柳哲史医師
「今年は12月から急激に患者の数が増えてきたことが、1つの大きな特徴だと思う」

感染症を扱う東北大学病院の青柳医師が注目するのは、患者数の急激な増加。
『新型コロナ』が流行する中、ここ数年『インフルエンザ』の流行はある程度抑えられてきたが、これによって『インフルエンザ』に対する免疫が下がり今回の感染拡大につながったとみている。

感染拡大によって心配されるのが、クスリの供給。

東北大学病院・総合感染症科 青柳哲史医師
「インフルエンザに対する治療薬としてはいくつかの種類があり、複数の選択肢があるので大きな問題にはならないと思う」

青柳医師によると、『インフルエンザ』用の治療薬は現時点で心配はないということだが、一部の「咳止め」などについては徐々に不足してきている現状があると言う。

一方、受験シーズンを控えた仙台市宮城野区の学習塾。

個別教室のアップル・仙台駅前榴岡教室・梁川直人室長
「当社では受付に手指の消毒をできるようアルコールの消毒がある。あとはマスクをつけるようお願いをして、忘れた方にはマスクをお渡しできるよう準備をしている」

授業ごとに机を消毒するなど、教室内での対策のほか、感染拡大を防ぐために「授業の受け方」も選ぶことができると言う。

梁川室長
「体調がすぐれない方については、ご連絡いただくことで普段の対面の授業にかわって、オンラインの授業に切り替えてご案内をすることもよくある」

この塾では、コロナ禍をきっかけに自宅で受けられるオンライン授業を取り入れていて、全国学習塾協会によるとこのような環境を整える塾は増えているという。

来週末には「大学入学共通テスト」が実施されるなど、迎える本格的な受験シーズン。

青柳医師は、基本的な感染対策が重要と強調する。

青柳医師
「我々ができることは、従来ながらよくやられている対策として、 手を洗うことやマスクを着用する、あるいは自宅や学校では換気を良くしてあげる工夫をする。こういった冬の時期は、咳や鼻水がでる人が感染症に限らずにいる。いわゆる咳エチケットを徹底して欲しい」

そしてインフルエンザにかかってしまった場合は、幼稚園や学校などでは発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日。幼児の場合は、3日を経過するまでは出席停止と扱われる。

大人の場合は、療養期間は特に定められてはいないが、体調が回復するまでは主治医の指示に従って行動するように注意して欲しい。

最終更新日:2025年1月9日 19:56
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