×

「あなたの個人情報を利用した男が16億円規模の詐欺事件に関与」総務省・警察・検察を装った人物からSNSアプリを使った電話「あなたのお金を預かる」現金50万円をだまし取られる

2024年5月12日 20:48
「あなたの個人情報を利用した男が16億円規模の詐欺事件に関与」総務省・警察・検察を装った人物からSNSアプリを使った電話「あなたのお金を預かる」現金50万円をだまし取られる
仙台北警察署

警察によると、被害に遭ったのは仙台市内の60代の女性。

最初は「総務省電波監理審議会サイバー対策室」の職員を名乗る男から、SNSアプリを通じてかかってきた1本の電話だった。

【次々と現れる登場人物…詐欺と気付かせない巧妙な手口】

仙台市内の被害女性(60代)のもとに最初にSNSアプリを使った電話があったのは今月7日午後2時頃。総務省電波監理審議会サイバー対策室の職員を名乗る男から電話が入った。その内容は「警察署に電話を転送します」というもの。その後、被害女性の携帯電話には、総務省の職員を名乗る男が言っていた通り電話が入った。

【電話がかかってくる前に警察手帳の画像が送られてくる】

まず、警察を名乗る男から来たのは電話の着信ではなく、警察手帳の画像。被害女性の携帯電話にSNSアプリを通じて送信されてきたという。そして、その後の電話で「ある男があなた(被害女性)の個人情報を使って携帯電話を取得し、被害額16億円規模の詐欺事件に関与していた」と告げられたという。そして翌日の8日、再び警察を名乗る男から「今回の捜査は未公開捜査」「犯罪の収益金があなた(被害女性)の口座に流れ込んでいるかもしれない」などと話があった。

【総務省~警察~検察~警察 最終的には50万円を振り込んでしまう】

その後、同じくSNSアプリを使った電話をかけてきたのは検察官を名乗る人物。「あなたは犯人側ではないとみなし、銀行の調査はするが凍結はしないこととします」などと言われた後、翌日には再び警察を名乗る男から連絡があり、「識別番号許可証」という画像が送られてくる。そして、「あなたの手元にあるお金を警察が預かることができる書類です」「お金を振り込んでください」と告げられたことから、被害女性はこれを信じて指定された口座に約50万円を振り込んだ。
その後、口座名義がこれまで話をしてきた人物と違うことを不審に思った女性が警察に事情を説明し、初めて詐欺事件だと気づいたという。

【警察がSNSアプリを使って被害者と連絡を取ることはない】

警察官などを装って発生した今回の事件。警察は「警察がSNSアプリを使って被害者と連絡を取り合うことはない」とした上で、少しでも不審な点があれば警察に相談をと呼びかけている。


【事件の流れ:官公庁職員を装った詐欺】
①総務省電波監理審議会サイバー対策室の職員を名乗る男
 「警察署に電話を転送します」
  ↓
②警察官を名乗る男
 警察手帳を画像で送信してくる
 「ある男があなた(被害女性)の個人情報を使って携帯電話を取得し、被害額16億円規模の詐欺事件に関与していた」
  ↓
③警察官を名乗る男
 「今回の捜査は未公開捜査」
 「犯罪の収益金があなた(被害女性)の口座に流れ込んでいるかもしれない」
  ↓
④検察官を名乗る人物
 「あなたは犯人側ではないとみなし、銀行の調査はするが凍結はしないこととします」
  ↓
⑤警察官を名乗る男
 識別番号許可証という画像を送信してくる
 「あなたの手元にあるお金を警察が預かることができる書類です」
 「お金を振り込んでください」
  ↓
被害女性は指定口座に50万円を振り込む
  ↓
警察に相談して初めて詐欺だと気づく

    ミヤギテレビのニュース