【特集】もうすぐ『仙台七夕まつり』 <吹き流し>作り最盛期 「きっとだれかに話したくなる…」と題した七夕市民講座も
『仙台七夕まつり』の開催まで、1か月を切った。
仙台市内では、吹き流しの制作が最盛期を迎えているほか、「きっとだれかに話したくなる」と題した祭りの歴史を学ぶ市民講座も開かれた。
齊藤千紘記者
「一から全て手作業で作られている七夕飾り。普段は下から見上げるくす玉も近くで見るとこんなに大きいことが分ります」
仙台市若林区の鳴海屋紙商事では、商店や企業などから注文を受け、例年およそ1000個の七夕飾りを制作している。
細長い和紙をはり付けて作る吹き流し。
竹で作った型に花を取り付けるくす玉。
すべて手作業だ。
従業員
「仙台伝統の七夕祭りを、ゆっくりと楽しんでいただきたいなと思って、心を込めて作っています」
制作は、例年3月から始まるが、今年は『東北絆まつり』が重なったことから、1か月ほど早い2月から準備を始めたという。
鳴海屋紙商事・佐藤卓央社長
「仙台の七夕祭りは、ご覧になられる方々が直に近寄って触れ合えるというメリットがあるので、そこを楽しんでいただければと思います」
一方、「きっとだれかに話したくなる仙台七夕まつり」と題して、10日 市民講座が開かれた。
講師を務めたのは、仙台七夕の書籍も出版している佐藤正実さん。
こちらは大正時代の様子。
講師を務めた『風の時』編集部 佐藤正実さん
「これは今の肴町です。家ごとに家族で祈りを込めて作り飾る」
この頃は、素朴でつつましい祭りだったと言う。
その後、『関東大震災』による不景気を乗り切ろうと、商店街に大型の飾りが登場。
1935年頃からは、吹き流しに「くす玉」が加わったそう。
この年は、伊達政宗没後300年にあたり、街中は賑わいを見せた。
仙台七夕は、戦時中の中断を乗り越える。
こちらは、1957年の祭りをPRするポスター。
浴衣姿の女の子が手に持つのはー。
講師を務めた『風の時』編集部 佐藤正実さん
「七夕線香を持っている。先に火をつけて線香を灯すわけです」
七夕線香は、火災の恐れがあるため、今はほとんど見られなくなったそうだ。
講師を務めた『風の時』編集部 佐藤正実さん
「七夕飾りは同じスタイルでやってきたものではなくて、時代や時期によって変化しているし、(多くの人の)知恵と工夫で変化してきたまつり」
そして、11日 仙台市にある『仙臺緑彩館』では、女性たちが扇子などに和紙を張り付けてオリジナル作品作りに挑戦していた。
竹中弘記者
「こちらの色とりどりの和紙、実は『仙台七夕まつり』の吹き流しの一部なんです」
使われた和紙は、去年のまつりで飾った吹き流しを再利用したもの。
ワークショップは、11日から仙台で始まった日本乳癌学会の関連イベントとして行われたもので、全国各地から訪れた参加者が仙台の文化に親しんでいた。
大阪から
「和紙の温かみや手触りにどこか懐かしさみたいなものを感じて、とても貴重な経験になりました」
愛媛から
「和を感じますし、扇子を作ったので、夏も感じられるいい企画だったなと思います」
東北を代表する夏祭りの一つ『仙台七夕まつり』は、8月6日から3日間開催される。