災害伝承活動「念仏講まんじゅう配り」NIPPON防災資産に認定 災害教訓伝える自治会の思い《長崎》
過去の災害の教訓を伝える施設や活動を国が認定する「NIPPON防災資産」に、長崎市の自治会の活動が選ばれ、市長を表敬訪問しました。
160年あまりにわたり災害の教訓を継承してきた地域の思いは…。
長崎市役所を訪れたのは、太田尾町の山川河内自治会の山口 和也 会長ら2人です。
山川河内自治会の災害伝承活動「念仏講まんじゅう配り」が今月5日、「NIPPON防災資産」に認定。
「防災資産は」今年5月に創設され、地域で発生した災害の状況をわかりやすく伝える施設や災害の教訓を伝承する活動などを国が認定する制度です。
(山川河内自治会 山口 和也 会長)
「先人たちが160年にわたってずっと継承したものに対していただいている。磨き上げてもっと立派に継承できれば」
豊かな自然に囲まれた山川河内地区。現在、約30世帯が住んでいます。
江戸時代末期=1860年に起きた土砂災害では、33人が犠牲になりました。
地区には、犠牲者を弔うための馬頭観音が。
(山川河内自治会 山口 和也 会長)
「今の残っている地形を見ると相当なものだった。(行方不明者などの)人捜しを14日に打ち切って、それを区切りで命日にしたと聞いている」
災害を継承するため自治会が中心となり、毎月14日、各世帯に「念仏講まんじゅう」を配布してきました。
高齢化により5年程前からは、まんじゅうの配布ではなく、毎年7月に慰霊祭を行っています。
『災害を自分事として捉える』という意識が受け継がれ、1982年の長崎大水害では1人の犠牲も出ませんでした。
160年あまりにおよぶ継続した活動が評価され、「NIPPON防災資産」に選ばれたということです。
(山川河内自治会 山口 和也 会長)
「今まで以上に防災の意識を高めていかないと、今までしてきたことがゆるくなってしまう。
人の命を守る。地域で守れる組織を作る。それが大事」