日本初の設備も「航空機エンジンの“心臓部”を製造」三菱重工航空エンジン工場拡張 さらなる増産《長崎》
世界的に需要の拡大が続く航空機産業。日本初の設備も導入し、さらなる増産体制を構築します。
三菱重工業長崎造船所内の、航空機エンジンの部品を製造する工場が拡張され、オープニングセレモニーが行われました。
三菱重工業の子会社「三菱重工航空エンジン」。
長崎市飽の浦町の三菱重工業長崎造船所内に、新しい工場が完成しました。
2020年に建設された「1期棟」に隣接していて「長崎工場」としては、倍以上に拡張されました。
(三菱重工航空エンジン 牛田 正紀社長)
「航空業界はさらに活況を呈している。1期棟のときに立ち上げた製造能力をさらに大きくしないといけない。メイドインジャパンで燃焼器が出来上がるところが、2期棟の完成を持って完結する」
長崎工場では、エアバス社の航空機に搭載されるエンジンの“心臓部”である「燃焼器」などを作っています。
航空機の需要はコロナ禍で落ち込んだものの、現在は大幅に回復。
長崎工場で生産するエンジンが搭載される航空機は、今後20年間で5000機を超える需要があり、さらなる増産体制の構築が求められていました。
今回の「2期棟」の完成によって、これまで海外に外注していたものも含めてすべての工程を長崎工場で行えるようになり、これまで以上に効率よく生産できるようになります。
新たに取り込む工程の中には、“日本初”の設備を用いたものも。
(三菱重工航空エンジン 原田 亮工場長)
「量産用に特殊なセラミックコーティング用の設備を導入するのは日本で初。これによって、燃焼器のすべての工程を長崎で完結できる。我々の戦略的にも大きな一歩になる」
また、最新鋭の生産ロボットやAI技術などを用いることで、航空エンジン工場としては「世界最高レベル」の生産性を実現しているといいます。
「2期棟」では現在、機械の搬入などが進められていて、本格的な稼働が始まるのは2026年の見込みです。
また、現在約130人いる従業員もさらに30人ほど増やす予定で、県内からのキャリア採用も行うということです。