原爆で全壊「福岡俘虜収容所」基礎遺構の保存活用を 市民団体などが長崎市に要望《長崎》
長崎市幸町の建設工事現場で、第二次世界大戦中の捕虜収容所の基礎遺構が見つかっていたことが分かりました。
市民団体などが22日、長崎市に保存活用を求める要望書を提出しました。
要望書を提出したのは被爆遺構の保存活用を求める市民団体です。
市民団体によりますと、長崎市幸町の長崎スタジアムシティの工事現場でおととし、コンクリート製の塊やレンガ積みの基礎とみられるものが見つかりました。
市は第二次世界大戦中に開設され、原爆で全壊した「福岡俘虜収容所第14分所」の基礎遺構と確認しましたが、「被爆の痕跡が確認できない」と判断。
現地調査を行ったうえで工事が進められたということです。
市に対する要望では、遺構の現状確認などを求めています。
(平野伸人さん)
「外国人の被爆者、特に捕虜が被爆されたという非常に大きな問題を秘めている。被爆の痕跡があったかないかだけで判断されるのはおかしい」
市側は今後の方針について明言を避けましたが、市民団体は引き続き保存活用に向けた可能性を探りたいとしています。