「ちゃんと帰ってくる話が先」盗まれた仏像 韓国側の返還の条件へ対馬・観音寺の前住職の思い《長崎》
対馬市の観音寺から盗まれた仏像を巡り、韓国側が条件付きで返還に応じる考えを示したことについて、前の住職が26日記者会見し、「返還が約束されることが前提」と話しました。
一方、対馬市議会は韓国側に早期返還を求める決議案を可決しました。
( 観音寺田中 節孝 前住職)
「ちゃんと帰ってくる話が先。無事に観音寺に帰ってくるような契約を結ばないと」
26日、記者会見をし たのは、対馬市・観音寺の前の住職田中 節孝さんです。
12年前に寺から盗まれ、韓国で発見された県の有形文化財「観世音菩薩坐像」を巡っては、韓国の浮石寺が所有権を主張していましたが、去年10月、韓国最高裁が観音寺に所有権を認める判断を示しました。
浮石寺は今年6月、観音寺に対し「返還に反対しない」とする書簡を送っていますが、100日間の「法要」を現地で行うことを返還の条件としています。
(観音寺田中 節孝 前住職)
「返還の約束と観音寺に戻ってくるまでの手順。全部約束されたうえで100日法要の話は最後に出てくる話」
観音寺は、この書簡に返答はせず、正式に返還が決まった段階で対応したいとしています。
(観音寺田中 節孝 前住職)
「いかなる場合でも早急に返還してもらわなければ。お帰りになったら宝冠をかぶせて、台座に座っていただきたい」
一方、対馬市議会は、26日の最終本会議で、「仏像は市民の財産であり心のよりどころ」だとして、韓国側に早期返還を求める決議案を全会一致で可決しました。
近く駐日韓国大使らに送付するということです。