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「里親に理解を」県内211世帯が登録50世帯が受け入れ “里親制度” 理解深める出前授業《長崎》

2024年6月10日 22:15
「里親に理解を」県内211世帯が登録50世帯が受け入れ “里親制度” 理解深める出前授業《長崎》

「里親制度」についてです。

里親は、さまざまな事情で家族と離れて暮らす子どもを家庭に迎え入れ、養育する制度です。

里親になる流れはというと、希望する人の窓口は長崎市と佐世保市にある児童相談所です。

5日間の研修や自宅訪問を受け、県の審議会で承認されれば里親に登録できます。

登録後は、子どもの年齢、性別のほか居住地や性格などをもとに、条件が合う里親に
児童相談所から打診がきます。

受け入れの意思があれば、子どもとの外出や自宅での宿泊などの “交流” をした後、
実の親と里親の合意を経て、「受け入れ」となります。

県内では、3月現在で211世帯が登録していて、50世帯が実際に受け入れています。

10日は県庁で、里親の制度などを説明する出前講座が開かれました。


(里親 阿部千賀子さん)
「里子と一緒に過ごす時間。一緒に笑ったり泣いたりする、かけがえのない時間を過ごせるだけで私は幸せ」

里親としての体験談を語った阿部 千賀子さん49歳。

不妊治療を経て長男を出産後、2015年に当時2歳だった零羅さんを引き取りました。

約3年後に特別養子縁組が成立し、現在は、夫と高校1年生の長男、そして小学5年生の零羅さんの4人で暮らしています。

(里親 阿部千賀子さん)
「V・ファーレンというサッカーチームの大ファンで、週末は必ずサッカー観戦をして、県外あちこちに行って、とにかくいろんな体験を通してこの子に学んでほしい」

出前講座は、里親についての理解を深めようと県里親育成センター「すくすく」が開き、約20人が参加しました。

(県里親育成センター 三浦 奈利子さん)
「家庭生活を体験する中で、家族それぞれのライフサイクルにおける “ありよう” を学んで、将来、里子が家庭生活を築く部分のモデルになる」

保護を必要としている児童を 里親が受け入れる割合は、アメリカやカナダなどが 80%を超えている一方で、日本は23.5%と先進国の中でも低くなっています。

県内では、80人の子どもが里親のもとで生活していますが、330人以上は施設などで暮らしている現状です。

里親として受け入れた当時は、実の子ではない子どもを育てる上で不安もあったという阿部さん。

ただ、数えきれない時間を過ごす中で、本当の家族になったそうです。

(里親 阿部千賀子さん)
「これからも成長過程で問題もたくさん出てくるが、私は何があってもこの子に寄り添って自立できる大人に育てたいと覚悟を決めている。社会的養護の子どもたちを社会全体で育てていく意識が広がると嬉しい」

(参加者)
「里親の実体験が心にしみた。まず詳しい専門の人に詳しく制度を聞いて、これから自分の気持ちとも相談しながら考えていこうかな」

県里親育成センター「すくすく」では、今年度中に出前講座を12の市と町で行う予定です。

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