県立高校元教諭の懲戒免職処分 福岡高裁が取り消し認定「再任用でも復職したい」《長崎》
2015年に県教育委員会から懲戒免職処分を受けていた県立小浜高校の元教諭が、処分の取り消しを求めた控訴審判決が7日、福岡高裁で行われました。
福岡高裁は、県に処分取り消しを命じた1審を支持しました。
(林田 耕二さん)
「9年間かかったが、長崎県が私に下した懲戒処分が不当であるということが立証できたということが、すごくうれしい」
訴えを起こしていたのは、県立小浜高校の元教諭 林田耕二さんです。
林田さんは2013年、顧問を務めていたボクシング部の練習中に、部員のパンチで右目を負傷。
公務災害を申請し、療養補償費の約120万円を受け取りましたが、2015年、県教委はこれを虚偽申請だとして林田さんを懲戒免職処分としました。
林田さんは処分の取り消しと慰謝料600万円の支払いを求め、県を提訴。
おととし2月、1審の長崎地裁は、慰謝料の支払いは棄却しましたが、ケガが指導中のものであると認め、懲戒免職処分の取り消しを命じました。
そして2審の福岡高裁も「林田さんから指導を受けていない」などとする生徒の証言が次々と変遷していったことから「信ぴょう性に乏しい」と指摘。
1審判決を支持し「懲戒免職処分」の取り消しを認定しました。
慰謝料については、1審と同じく棄却しています。
(林田 耕二さん)
「せめて再任用でも教師に戻ることが、多くの教え子たちに対して、自分が何も不当ではなかったと立証する一つの方法。ぜひ復職できるのであればしたい」
県教委は「判決を精査し、今後の対応を検討する」とコメントしています。