【読み解く】40歳から支払いが始まる「介護保険料」 自治体が3年ごとに見直しする支払い金額などの仕組みについて山陰の現状は?
気になる話題を取り上げる「読み解く」のコーナーです。今回のテーマは65歳以上の「介護保険料」です。
前回は、高齢者の方の「医療保険料」についてお伝えしました。収入の高い方の保険料が引き上げられるという話でした。この介護保険料も全国的に上昇傾向なんですが、山陰では変化がなかったり、減額というところもあったりしていて、調べてみると意外な結果が見えてきました。
ではまず、介護保険料の仕組みから見ていきます。
■介護保険料の仕組み
介護保険料を支払うのは40歳からです。40歳から65歳未満の方は健康保険から引かれています。65歳以上の方が支払う額は、市町村が3年ごとに見直して決定しています。2024年度、今年度もちょうど見直しのタイミングで今年度から変わる自治体もあります。
こうして集めた保険料と公費によって、介護サービスを受けるとき自己負担が1~3割に抑えられる、という仕組みです。2000年にできた比較的新しい仕組みとなっています。
少子高齢化が進むことを考えると前回にお伝えした「医療保険料」のようにこの介護保険料もどんどん上がっていきそうです。全国の傾向としては右肩上がりとなっていて、高いところでは去年に比べて、月々の支払いが1000円以上あがった自治体もあります。
では、山陰はどうなのかー。
■山陰の介護保険料の現状は?
まずは島根県。主要な市のほとんどが値段据え置き、となっています。大田市は去年と比べて400円アップとなりました。その理由としては、
・市内の要介護認定率が高いこと
・通所介護(デイサービス)が特に充実していて利用者が多いこと
が考えられるそうです。自分に介護が必要になった時、しっかりしたサービスを受けられるなら、ある程度の値上げもやむを得ないかもしれません。
続いて鳥取県。米子市と倉吉市は変更なし。鳥取市は、下がっています。しかも鳥取市は3年前の見直しでも下げているので、2期連続で減額となりました。介護を必要とする人は増えているはずなのに、なぜ下げられるんでしょうかー。
鳥取市によると、
・これまでの余剰金の積立が多く、それを還元している
・新型コロナの影響でここ数年は介護サービスの利用が伸びなかった
ということなどが理由だということです。
とはいえ、こうした状況は長くは続かないのではという懸念もあります。介護については、こうした財政面もですが人材の確保も課題となっています。今後、社会全体で考えていかなければならない問題だと考えます。