「第4種踏切」で発生した痛ましい事故 山陰でも始まった新たな対策”踏切ゲート‐Lite"とは?
群馬県高崎市の踏切で9歳の女の子が列車にはねられ亡くなりました。この痛ましい事故が起きた場所は「第4種踏切」と呼ばれ、山陰両県にも34か所あります。その現状や対策を取材しました。
4月6日、群馬県高崎市で近くに住む9歳の小学生が列車にはねられ、亡くなった事故。鉄道会社によりますと、当時犬を追いかけるようにして線路の中に入ってきたと言います。運転士は、50メートルほど手前で気づいたため、警笛を鳴らし、非常ブレーキをかけましたが、間に合わなかったということです。
事故が起きた踏切は警報機、そして遮断機が設置されていない「第4種踏切」と呼ばれる場所。全国に約2400か所あり山陰両県にも34か所あります。そのうちの一つ、鳥取市青谷の住宅地にある踏切。
住民
「車は通れないので、歩いていく人はいます」
Q.もし踏切がなくなったら?
「農業やっている方は、不便かと思います」
近くにう回路ができたため、以前に比べると使用する人は減ったといいますが、今でも農作業をする人などがよく通るといいます。その踏切前で撮影していると…。
記者
「今、車両の音とともに警笛が聞こえました」
警笛を鳴らしてわずか10秒ほどで列車は目の前を通過。遮断機や警報機がないため、横断の際は特に周囲の確認が必要となります。山陰地方でもこの第4種踏切で人や車と、列車がぶつかる事故が過去5年間で5件発生。ただ、警報機や遮断機が設置された「第1種踏切」にするには、1000万円以上のコストがかかるなど課題があります。そうした中、新たにJR西日本が始めた対策がー。
JR西日本山陰支社 佐伯祥一 山陰支社長
「踏切の安全性の向上ということで、踏切にかかる事故防止という観点で今回”踏切ゲートLite"を導入するということでございます」
3月から山陰地方でも導入が始まった「踏切ゲート‐Lite」。踏切を横断する際、手動でポールを持ち上げる必要があるため飛び込みの防止につながるといいます。また設置費用は、第1種踏切に比べると10分の1以下、工事も2時間ほどで完了します。
家の近くに警報機のみの踏切があるため、新たな対策が気になり、「踏切ゲート‐Lite」が設置された現場を訪れたという男性はー。
踏切を見に来た男性
「これが一つあることによって、ワンクッションおくことになるので、安全性は高まると思います。絶対あったほうがいい」
JR西日本は、この「踏切ゲート‐Lite」を今年度中に10か所ほど設置する予定です。痛ましい事故を無くすためにもその対策が急がれます。