【読み解く】2017年に設定された「南海トラフ臨時情報」とは? 南海トラフと関連のがあるか「調査始めましたよ」の合図
気になる話題を取り上げる「読み解く」のコーナーです。今回のテーマは「南海トラフ地震」に備えるための情報についてお伝えします。
4月17日の午後11時14分ごろ、愛媛県と大分県に挟まれた豊後水道を震源とする地震が発生。最大震度は6弱で、中部地方から九州地方にかけて広く揺れを観測しました。
その時に注目されたのが「南海トラフ臨時情報」。2017年に設定されたもので、今回は発表とはなりませんでしたが、巨大地震に備えるための大切な情報です。
■南海トラフ臨時情報とは
「南海トラフ臨時情報」発表の流れを見ていきます。上図の赤色のエリアでM6.8以上の地震や通常と異なる現象が発生すると、南海トラフ地震の可能性が高まったかどうかの調査が始まります。それが「南海トラフ臨時情報(調査中)」です。「気象庁が調査を始めましたよ」という知らせです。
4月の地震ではM6.6のため対象とはならず、この情報も出ませんでした。もし“調査中”が発表された場合、最短で2時間後、3パターンの新しい情報が出されます。
上図のように、南海トラフ臨時情報という形で発表されます。
・巨大地震警戒
・巨大地震注意
・調査終了
警戒・注意が出た場合は、大きな地震に備える必要があります。さらに「警戒」の場合は、地震が発生後では津波避難が間に合わない地域は、1週間の事前避難を始めます。山陰に対象地域はありませんが、大きな地震への備えが必要です。調査終了は地震の発生に注意しながら通常の生活を送ります。
■南海トラフ地震の過去事例
さて、その「南海トラフ地震」についてですが、対象地域では、過去に連動して地震が発生することがありました。
上図のエリアは、大きく東側(青)と西側(赤)に分かれています。
過去の事例では、
・1854年 東でM8.6→32時間後 西でM8.7
・1944年 東でM8.2→2年後 西でM8.4
大きな地震が片方で起きるとその後、もう片方でも発生する可能性があります。
南海トラフ地震が発生した場合、山陰でも大きく揺れる可能性があります。上図が予想震度です。山陰では最大で震度4~5強となっています。被害が大きかった場合、島根県で500棟、鳥取県で300棟の建物が全壊するという国の試算もあります。
日頃の備え、そして、「南海トラフ臨時情報」が実際に発表された場合どのように行動するか、改めて1人1人が考えておく必要があります。