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【読み解く】物価高騰で値上がりを続ける給食費 国が無償化を目指す中で現状と課題とは?

2024年7月13日 5:52
【読み解く】物価高騰で値上がりを続ける給食費 国が無償化を目指す中で現状と課題とは?

気になる話題を取り上げる「読み解く」のコーナー、今回のテーマは「学校給食費」。国は給食費無償化の可能性を探るため調査を行っていて、6月、学校給食にまつわるさまざまな調査結果が公表されました。

■ 学校給食の食材費

月々の給食費の10年間の推移を見ていきます。(※実際に保護者が払っている額ではなく、食材費を表したもの)直近10年間で約12%、5年では8%上昇していて、物価高騰を背景に値上がりを続けている現状があります。

上昇分は自治体が負担しているケースもありますが、それも限界を迎え、ここ数年は保護者の負担額の値上げに踏み切る自治体も多くあります。

■ 都道府県別の給食費

調査では、都道府県ごとに食材費の差が大きいこともわかりました。例えば小学校では、最も高いのが福島県で5314円。最も低いのが滋賀県で3933円。1.4倍ほどの開きがあります。ちなみに鳥取県は全国10位の4985円、島根県は全国13位の4834円となっています。

こうした状況に対し、公立鳥取環境大学 経営学部 副学部長の竹内由佳さんはー。

公立鳥取環境大学 経営学部 竹内由佳 副学部長
「仕事で鳥取の給食について調べる機会があったのですが、特色ある給食が多く、地元の良いものを提供していると感じました。子供たちの食育や、地産地消に力を入れているのであれば、食材費が高いのも仕方ない部分があると捉えていいと思います」

■ 無償化の現状と課題

全国の自治体の3割に当たる547自治体が去年9月時点で全員分の給食を無償化。6年間で7倍に増加しています。山陰を見ると、島根県では吉賀町・川本町(※今年度から)、鳥取県では智頭町・若桜町・大山町・江府町・日野町が取り組んでいます。

一方、無償化に向けて課題なのが、質の保持や財政負担。もし全国一律で無償となった場合、限られた財源で給食の質が維持できるのか。また全国の公立小中学校で全員を対象に無償化するのには、年間4600億円が必要という試算もあり、国と自治体がそれぞれどのように負担をするのかなど課題は多くあります。

公立鳥取環境大学 経営学部 竹内由佳 副学部長
「私が研究しているマーケティングは、価格ではないところで価値を提供しようという学問です。給食は、行政・政治の話というのは重々分かるんですが、マーケティングの観点で言うと『価格が安ければいい、無償化が最優先』となると、食育に力を入れようという今の動きや、子どもたちのいい思い出が失われてしまうと思います。またお金を払っているがゆえに、保護者が物を言っていくこともできると思います」

子育て支援として、果たして給食費の無償化は有効なのか。国は今後更なる調査を重ね、無償化の効果なども分析していくとしています。

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