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【読み解く】歯と口の健康週間!全身の病と関連している歯周病…対策は?

2024年6月4日 19:18
【読み解く】歯と口の健康週間!全身の病と関連している歯周病…対策は?

気になる話題を取り上げる「読み解く」のコーナーです。6月4日から10日までは、『歯と口の健康週間』。ということで今回は、鳥取県立中央病院 歯科口腔(こうくう)外科の歯科医師・大淵幸与さんに話を伺います。

小林沙貴アナウンサー
「歯とか口の中はケアが大切だとは思うのですが、具体的にどう気を付けたらいいのか、分からない部分も多いんですよね」

大淵幸与 歯科医師
「歯や口の中は、痛みがないと危機感を持たれにくいと思いますが、痛みがなくても、症状が進行しているといった事もあります」

■ 虫歯と歯周病、どう違う?

大淵幸与 歯科医師
「虫歯も歯周病も、細菌の塊であるプラークによる病気ですが、原因となる細菌の種類と、破壊される組織の部位が異なります。むし歯は、歯の表面に付着した細菌が作り出した酸が、歯の表面を破壊します。歯周病は、歯と歯ぐきの間に付着・増殖したプラークが、歯を支える組織を破壊します。なので、むし歯ではない無傷な歯でも歯周病が進行してぐらついて抜け落ちる…ということもあるわけです」

小林沙貴アナウンサー
「歯を失う原因の1位が歯周病とありますが、他にも影響がありますか?」

■ 歯周病は全身の病気と関連

大淵幸与 歯科医師
「ここ数十年で多くの研究が進み、歯周病は、さまざまな病気との関連が指摘されています。主なものだけでも・認知症・糖尿病・肥満・心筋梗塞 ・動脈硬化症・関節性リウマチ ・誤嚥(ごえん)性肺炎・妊婦さんにおいては早産、低体重児出産 などです」

小林沙貴アナウンサー
「どうしてこんなに全身に影響するんでしょうか?」

大淵幸与 歯科医師
「諸説ありますが、口腔(こうくう)内細菌や、口腔(こうくう)内細菌が作り出す炎症性物質が血液内に侵入し、血管やさまざまな臓器、身体の機能に悪影響を及ぼすと考えられています」

■ 予防のためには…

大淵幸与 歯科医師
「セルフケアとしては正しい歯磨き。歯ブラシが届きにくい場所は、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことがおすすめです。また、規則正しい生活やバランスの取れた食事も大切です。喫煙や過度な飲酒は控えましょう」
「ただセルフケアだけでは十分とは言えません。プロフェッショナルケアとして、かかりつけの歯科医院を作って、定期的に受診しましょう。その際はお薬手帳を持参すること、これまでの病歴や飲んでいる薬を正しく伝えるようにしてください」

小林沙貴アナウンサー
「確かに、歯科医院に行くのにお薬手帳は忘れがちです。受診のタイミングの目安はありますか?」

大淵幸与 歯科医師
「歯科医院には歯が痛くなった時だけ通う方がまだまだ多いと思います。全身的な病気に比べて、口の中の病気というのは取り残されがちです。鳥取県立中央病院では、口の中にできるがん、口腔(こうくう)がんの治療も行います。口腔(こうくう)がんは、早期治療をすれば、決して生命予後が悪いがんではありません。ところが、その認知度の低さから口の中に病変があっても単なる口内炎と思い込み、なかなか医療機関を受診しない人が多く、早期発見につながらないことが大きな課題となっています。歯科医院へは、ぜひ自分では気づけない小さな異常をみつけ、病気を予防するという意識を持って、痛みがなくても受診する習慣をつけていただくのが一番良いと思います」

小林沙貴アナウンサー
「虫歯も、歯周病も、口腔(こうくう)がんも早めの発見が大切ということですね。歯と口の健康週間をきっかけにぜひご自身の口の中と向き合ってみてください」

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