いまや特殊詐欺に年齢は関係ない!? 被害額は1億円超え 警察をかたる詐欺など巧妙化する特殊詐欺 注意するべきポイントを現役警察官が解説
現役の警察官とともに解説していくコーナーの今年の特殊詐欺の総括です。解説は鳥取県警生活安全企画課波田貴幸警部補です。
鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「今年の特徴としては、被害者のうち若年層の割合が増加、また携帯やスマホ、SNSを使った手口の増加が挙げられます」
中山紗希 アナウンサー
「最新の特殊詐欺の被害状況は、12月19日時点で被害件数が75件、被害額が約1億408万円。すでに過去最多の被害件数を記録しています」
鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「今年被害が多かった手口は、警察官をかたった詐欺などを含むオレオレ詐欺に、未払いの料金があるなど、うその電話やメールでだます架空料金請求詐欺、さらに、副業詐欺です。このような手口は、この先もしばらくは続くと予想されます」
そして、最近、鳥取県内で新たな警察がたりの詐欺が発生しました。その内容はー。
ある女性のもとにかかってきた1本の電話。
犯人
「私、警視庁捜査2課です。今回、○○県警から捜査協力要請受けて東京警視庁からご連絡しているんですね」
それは警視庁を名乗る女の声。
犯人
「現在捜査中の事件で、○○さんにお伺いしたいことがございましてお電話させていただいております」
女は捜査に必要だと言いながら、女性にさまざまな質問をしていきます。
犯人
「鳥取県○○、こちらのご住所というのがご自身が今住まれている住所ですか?」
女性
「はい、それはまちがいないですけど」
犯人
「こちらのご住所には、どれくらい住まれているでしょうか」
女性
「ちょっとね、これ以上お話するのは、お電話口の方が本当に警視庁の方かわからないので」
女性が疑うような発言をするとー。
犯人
「すみません落ち着いてください、しっかりお話聞いてくださいね。あの、逮捕されるということはご理解していますか。逮捕起訴されるというのはご理解していますか」
女は突然、感情的にー。
犯人
「○○県警のほうからは、あなたを容疑者としてみているんですよ。わかります?」
女性
「はい…」
その後電話は切れ、幸い、女性は被害に遭いませんでした。
■特殊詐欺にあっている年齢層は高齢者だけじゃない!?
中山紗希 アナウンサー
「街の人にインタビューをしていると特に若い方、『被害にあうのは高齢の方だから』という声が多く聞かれました。実際どうなんですか?」
鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「実は、65歳以上の高齢者以外の方、つまり若年層の方の割合が年々増加していき、今年、過去最多となっているんです」
中山紗希 アナウンサー
「もはや詐欺被害にあうのに年齢は関係なくなっているということなんですね」
波田貴幸 警部補
「犯人側もこれまでだませるのは、高齢者と思い込んでいたんですが、近年、若い人たちも手口によってはだませると気づいてしまったんです。固定電話よりも携帯電話やスマートフォン、SNSやインターネットを狙ったものが増えています。犯人が、若い人たちもだませると気づいてしまった今、さらに巧妙な手口でだましていくことが予想されます」
中山紗希 アナウンサー
「では、来年にむけて注意すべきことはなんでしょうか」
■特殊詐欺に遭わないためには?
波田貴幸 警部補
「繰り返しこれまでもお伝えしてきましたが、携帯やスマートフォンに「+」が付いた番号からの着信があったらまず詐欺を疑ってください。そして、警察や検察が電話で捜査の話をすることはまずありえませんので、そうした電話があった場合も詐欺を疑う、SNSなどでもうかる話も詐欺です。絶対にだまされないでください」
怪しい、不安に感じたら警察の専用ダイヤル「#9110」へとすぐに電話、または最寄りの警察署に相談してください。