「42年間ありがとう」 旧型車両(381系)「特急やくも」のラストランイベント 人気の撮影スポットには全国各地から撮り鉄の姿
6月14日午前9時半前のJR米子駅。大勢の人がカメラを構え待っていたのは、特急やくもの旧型「緑やくも色」の車両です。
山陰と岡山を結ぶ「特急やくも」の旧型車両381系。6月15日で、この旧型車両の定期運行が終了するため、6月14日はラストランイベントが開かれました。
乗客
「381系の定期運行が終了するということで、乗り納めに来ました。子どもの頃からの憧れでした」
「ラストということで、たまたま切符が取れたので。先頭に三角のマークがついていて、あれが国鉄の特急電車の特徴だったので、そういう電車がなくなるのは残念で寂しいです」
乗客約140人には記念品が配られ、ホワイトボードには職員からの感謝状も。やはり名残惜しさはあるようでした。
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特急やくもの旧型「381系車両」は1982年にデビュー。急なカーブも速度を落とさず走れる日本初の「自然振り子式」を採用した特急車両として注目されました。
運行が始まり42年。車両の老朽化などを受け、ことし4月に新型やくもが登場。2022年から国鉄カラーなど4つの車両をリバイバル企画として運行してきましたが、新型車両の導入を受け、6月15日ですべて終了します。沿線では快晴の中、宍道湖とのコラボ写真を狙うやくもファンの姿が見られました。
やくもファン
「かなりいいものが撮れました。悔いなく別れを告げられるます」
また同じく6月14日でラストランを迎えた「国鉄カラー」のやくも。終点となったJR出雲市駅では、新型車両が到着するタイミングも重なったことで世代交代の様子をしっかり写真に収めていました。
やくもファン(広島から)
「(旧型の)色や形になじんできた世代なので、自分の気持ちのままに写真を撮れたらいいです」
さらに鳥取県日野町の沿線にある撮影の人気スポットでは、写真撮影を楽しむ鉄道ファンいわゆる「撮り鉄」の姿が。朝から車両を撮影していた小さなカメラマンもその一瞬を狙います。
小さなカメラマン(子ども)
「楽しかった!」
日野町の自然と共にしっかりとカメラに収められたようでした。
やくもファン(東京から)
「写真を撮るだけではなくて、沿線観光のひとつに写真の撮影が入っていて、それがとてもいいことかなと」
JR西日本山陰営業部 足立智さん
「42年間たくさんのお客さまを乗せて走ってくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。新型の273系も(旧型の)381系のように多くの方に愛される列車になるように私たちも一生懸命PRをしていきたい」
42年の歴史に幕を閉じる旧型「やくも」。6月15日の朝、岡山を出発するやくも1号を最後に定期運行を終了します。