コメの高騰でライス無料サービスを廃止したラーメン店 政府の備蓄米放出を受け期待の声 「(備蓄米の放出によって)いい価格に下がるのならサービスも再開したい…」 鳥取県
全国的に米の価格が高止まりする中、農林水産省は政府で備蓄するコメの放出を決定しました。山陰では流通の安定や価格低下に期待の声が出ています。
農林水産省 江藤拓大臣
「販売数量は21万トンとします。流通が滞っている、スタックしているこの状況をなんとしても改善したいという強い決意の数字だと受け止めていただきたい」
2月14日、農林水産省の江藤大臣が会見を開き、政府備蓄米100万トンのうち21万トンの放出を決定しました。備蓄米は主に政府が凶作時の供給不足に対応するため、保管しているコメのこと。コメの流通を円滑にするために放出するのは今回が初めてです。
農水省によりますと、去年収穫されたコメは、前年より18万トン多いですが、JAなどの大規模な集荷業者が農家から集めたコメは、前の年より21万トン減っています。まずは3月初めに15万トン放出し、段階的に入札を行い、中旬には業者へ引き渡す予定です。3月末から4月に店頭に並ぶ見通しです。
備蓄米放出を受け、山陰でも期待の声が上がっています。鳥取市の直売所ではー。
岩本泰平 アナウンサー
「こちらでは農家が直接持ってくるコメと、仕入れて売るコメの2種類が販売されていますが、例年と比べて店頭に並ぶ量は少なくなっています」
農家が直接持ち込むコメの量が減ったため、店頭に並ぶ量が例年より減少。現在は、仕入れを増やして対応しています。
地場産プラザ わったいな 前場さん
「令和6年産が出てきていますが、市場に出回る数量が少ない。約3割くらい価格が上がっているように感じています」
買い物客の中には家族と相談しながら購入するか検討する人もー。
客
「5kgで3000円しているけど『どう?』って聞いたら、『ちょっと高いね』って早く安くなって安いおコメを買っていきたい」
地場産プラザ わったいな 前場さん
「(備蓄米放出で)食事の中でコメを節約しないで食べていただくような価格になればいいのかなと思います」
一方、コメの価格高騰の影響はこんなところにもー。
客
「ちょっと残念ですけど、しょうがないかなと」
鳥取市にあるラーメン店では、2009年の開店以降平日のランチタイムはライス無料のサービスを15年間続けてきました。しかし、コメの仕入れ価格がほぼ倍になったことで苦渋の決断をし、去年の11月からライスの無料サービスを廃止し料金を設定しました。
ラーメン五歩 長谷川さん
「うちもオープン当初からこの無料サービスをやっていて定着していたので、いろいろ考えてほかの値段を上げて無料を続けようとも考えたんですけど、それをやるとランチ以外のお客さんにも負担になってしまいますので、今回はランチのご飯を食べるお客さんに負担してもらおうと、こういう形にしました」
物価高の影響でコメ以外の仕入れ価格も上がる中、備蓄米の放出による仕入れ価格の低下には期待を寄せています。
ラーメン五歩 長谷川さん
「(備蓄米の放出によって)いい価格に下がるのならこのサービスも再開したいと思っていますけど、ちょっと期待しています」
消費者や飲食店など多くの人が苦しむコメの価格高騰。政府は、今回の放出が流通の正常化につながらなければ追加での放出も検討しています。コメ価格の高止まりが抑えられることを多くの人が望んでいます。