ブランドサバ『お嬢サバ』に妹が誕生!その名も『さばみちゃん』 生産者の思いは? 鳥取県岩美町
鳥取県岩美町のブランドサバ「お嬢サバ」に妹が誕生です。いま来年の出荷に向けて育てられているという妹とはー。
鳥取県岩美町の網代漁港。そのすぐそばにある陸上養殖センターでは、12月13日「お嬢サバ」の出荷が行われていました。「お嬢サバ」はJR西日本と鳥取県が2015年から共同研究を始めた陸上養殖のブランドサバで、この陸上養殖センターでは2021年にJRから陸上養殖を引き継いで育てています。
現在は2万3000匹のお嬢サバを養殖しています。出荷は週4回ほどで、12月13日は関東の百貨店などに向け、約40匹が出荷されました。そんなお嬢サバに、この度、妹ができました。それはー。
地下海水井戸陸上養殖センター 田島みよさん
「こちらの水槽で育てているのは 私たちの新ブランド、さばみちゃんです」
水槽にいたのはあわせて1万5000匹の養殖場オリジナルブランド、その名も「さばみちゃん」。いまは、出荷ができる大きさになるまで育てている段階です。
地下海水井戸陸上養殖センター 田島大介さん
「岩美町の特産である岩美八宝であるとか、地域の人に譲り受けた柚子の絞りかすを与えている」
お嬢サバには、魚の粉、ビタミン、穀物などが混ざったお嬢サバ専用のエサを与えているのに対し、「さばみちゃん」のエサは白イカ・赤ガレイ・岩カキを潰したものや地元にある飲料の工場で出た柚子の絞りかすを粉末状にしたものなどを使用していて、地域の特産物にこだわったエサで育てています。
さらに水槽にも違いがー。
お嬢サバの水槽はブルーやグリーンといった自然界にある色で、「さばみちゃん」の水槽はクリームやミントの自然界にない色で飼育。色による味の違いを調べるため実験中です。
そんな「さばみちゃん」の水槽には水温20℃前後の井戸水がくみ上げられています。この井戸水はサバにとってちょうどよい水質と温度を年中保つことができる、まさに理想的な井戸水。実は、社長の田島さん自身が掘り当てたものなのです。
地下海水井戸陸上養殖センター 田島大介さん
「普段井戸のメンテナンス、整備をしている中での知識なので」
養殖を行っている田島さんは、元々は井戸堀りの事業を専門としていて、設備管理も自分の会社で行うまさに「自社ブランド」のさばみちゃんなのです。
地下海水井戸陸上養殖センター 田島みよさん
「さばみちゃんはここのブランド。今まで以上にたくさんの人に届けられたらいいなと思ってます」
以前、試験的に出荷された「さばみちゃん」を行きつけの店で食べたことがあるという岡山県の男性は。
さばみちゃんを食べたことがある男性
「『これ(さばみちゃんを)仕入れてみた、食べてみて』と。 そしたら美味しかった。脂がすごく乗って生でも食べられるし、非常に美味しかったです」
地下海水井戸陸上養殖センター 田島大介さん
「うれしいですね。直接食べていただけた方の言葉を職場の目の前で聞けるというのは養殖冥利につきるというか。ありがたい」
田島さんが一から作り上げたオリジナルブランドさばみちゃん。まずは地元の人に味わってほしいと話します。
田島大介さん
「ようやくスタートラインに立ちました。もちろん鳥取県を代表するサバ・特産物になってほしいと思っています。鳥取のみならず全国で名を売るような鳥取を代表する特産になってほしいです」
さばみちゃんは2024年夏ごろ、本格的に出荷が始まるということです。