専門家「道路に盛り土をして、2車線にしてる構造になってる」 崩落した県道29号 もともと地盤が弱かったところに集中的に雨が降った事が要因か 島根県出雲市
大雨の影響で崩落した県道29号。7月12日、島根県の丸山知事が現地を視察しました。
島根県 丸山達也 知事
「非常に大規模な道路の崩落だと改めて認識をしたところであります。応急的な対応、片側、左折といった状況を早く実現できるように努力をしていきたいと」
7月9日の大雨の影響で日御碕へと続く県道29号が、幅50メートル・高さ50メートルに渡り崩落。3日たった、12日丸山知事は道路の状況を確認した後、う回路となっている道を歩いて渡り、現状を視察しました。崩落した県道の先には、235世帯、約550人が住む日御碕地区があり、唯一の生活道が絶たれ、孤立状態が続いています。
住民
「まずは片側通行だけでも車が通れるようになるのが一番の望みですので、よろしくお願いします」
視察があると聞き、現場にやってきた日御碕地区の住民。知事に早期の復旧を求めました。
住民
「急病人が出たときとか、ごみのこともあったり、あるいは介護関係で通ったり、行ったり、来たりががありますので、まずは道路ということ、あとはこれから長引くにしたがって物資がどんどんなくなってきますので、補充というが協力をお願いしたい」
一方で、う回路を通り運び込まれていたのはピーマンやもやし、玉ねぎなどの生鮮食品。地区に1つしかないという商店へ搬入するため、住民で協力して12日朝、市場で買ってきたといいます。
商店の経営者
「若い人に車でここまで荷物と一緒に送ってきてもらいました。皆さんにお世話になってここまで来ましたわ」
仕入れができない間は、乾物やインスタント食品などでしのぎ、実に4日ぶりとなる生鮮食品が届けられました。それでも、道路の崩壊に伴って、いまだ自宅へ帰れないという住民も。出雲市は、大社行政センターを7月16日まで避難所として設置。11日夜は3人が利用しました。
1日にして陸の孤島となってしまった日御碕地区。今回なぜ、崩落につながったのか。地盤に詳しく、現地にも足を運んだ専門家はー。
松江高専 河原荘一郎 先生
「崩れた断面が見えていたんですけど、もともと1車線分くらいしかなかった道路に盛り土をして、2車線にしてる構造になってるので、どうしても新しくできた部分と古いところの境で滑りやすいところがあるのかなとは思います」
盛り土され、その上に作られたと思われる県道29号。もともと地盤が弱かったところに集中的に雨が降ったことで、土が削れ、今回の災害に至ったと考えています。復旧の見通しについてはー。
松江高専 河原荘一郎 先生
「現状では崩れた道路を元に戻して1車線分取るのも大変なので、山側に(道を)通すという風になると思います。私の考えだけでいうと2か月くらいかかるのではないかなと思います」
2021年に出雲市多伎町の9号線で起こった地すべり復旧にも携わった河原さん。過去の経験から仮復旧まで少なくとも1~2か月はかかると見込んでいます。
日御碕地区の住民にとって欠かせない生活道。一刻も早い復旧が望まれます。