【青森県・激動2024】気候変動と農林水産業 気温の上昇が与えた影響は…「令和のコメ騒動」「大量へい死」「サケ不漁」 環境の変化への適応を模索
激動2024、4回目は「気候変動と農林水産業」です。
暖冬の雪不足で冬のイベントは中止、気候変動によって農林水産業を取り巻く環境に大きな変化がありました。
★青森放送 對馬敬記者
「ここは本来ゲレンデなんですが雪がほとんどありません」
1月、雪不足でスキー場は営業を休止。
スキー大会も中止や開催地の変更を余儀なくされました。
★青森放送 木下玲斗記者
「県内各地で雪不足の影響が出ていますが雪のアクティビティを楽しめるこちらの施設も延期となっています」
2月の弘前城雪燈籠まつりは懸命に雪を集め、開催にこぎつけました。
気候変動は暖冬少雪という具体的な形で現れました。
県の平均気温は温暖化対策が進まなければ、21世紀末5度近く上昇すると予測されています。
気温の上昇が農林水産業に与える影響は避けられません。
2月のコメの食味ランキングで「青天の霹靂」はデビュー9年目にして初めて「特A」を逃しました。
去年夏の猛暑の影響です。
★コメ農家 橋本慶毅さん
「やっぱり青天の霹靂は『特A』をとらなきゃだめだし、最近特に高温障害も出てきているので」
猛暑の影響は続きコメ売り場でも…。
★青森放送 能代谷俊朗記者
「青森市のこちらのスーパーではおコメ売り場に商品が無くなってしまっています」
9月、スーパーから一時米袋が消えました。
★買い物客
「どこ回っていても何もなくて」
「今(家に)ないのさ」
品質低下と収穫量の減少などが要因です。
秋の新米価格は去年に比べて倍近い高値となりました。
暑さの影響を避けるためコメの栽培に導入されたのが…。
★コメ農家 福士広基 さん
「『飽水管理』今年はもう全面すべての田んぼをそれで管理しています」
田んぼに水をためず土が湿った程度に保つ栽培管理です。
県は今年初めて「飽水管理」を呼びかけました。
この結果…。
★検査員
「基準をクリアしています」
9月の初検査は全量1等米。
県産米は一等米比率が大幅に改善しました。
流通量の安定と品質低下の解消につながるとみられています。
★青森放送 菅原厚キャスター
「暑い陽射しが照りつけるなか、陸奥湾の海水温も高く推移しています。その影響を受けるのが陸奥湾ホタテです」
気候変動は水産業にも大きな影響が。
去年の猛暑の影響で稚貝の半分以上がへい死した陸奥湾ホタテ。
春から始まった水揚げは…。
★ホタテ漁師
「今年は大変、ホタテがさらに死んだ」
「(去年に比べて)半分もないよ 全然ない少ない」
1年物のホタテ「半成貝」は、いつもの年の半分以下まで落ち込みました。
今年も6月中旬から平年を上回る水温で推移。
県内でへい死率が最も高い青森市漁協では…。
★青森市漁協の漁師
「うちらの漁場では水深20メートル前後です。いまの状態ではホタテ養殖は不可能ではないか」
東北大学の研究センターは、陸奥湾の高水温に耐えられるカキ養殖の可能性を探っています。
★共同研究員 AWESOME SEA合同会社 三上拓也代表
「ホタテにひじょうに養殖の生態が似ているカキであれば可能性としてはあるのではないかと思っています」
八戸前沖では12月から海面でのカキの試験養殖が始まりました。
★八戸市水産事務所 茨島隆所長
「ひじょうに大きな一歩だと考えております」
海の異常な高水温で回復の兆しが見えないのがサケです。
漁獲量は昨年度ピーク時の70分の1以下に落ち込み、今年も不漁が続いています
★奥入瀬川鮭鱒増殖漁協 戸来敏幸組合長
「今年はもういちばん最低じゃないかなと思っている」
こうした中注目されているのが、海洋環境の変化に左右されにくい陸上養殖です。
八戸市で挑戦する会社が出てきました。
★嶋脇漁業 養殖責任者 吉田徳光共同代表
「これから5年10年経ったらこういう陸上養殖というのが必ずどんどん増えていくのは間違いないと自分は思っています」
農林水産業に密接に関わる気候変動。
環境の変化に適応するため新しいかたちを模索する1年となりました。
暖冬の雪不足で冬のイベントは中止、気候変動によって農林水産業を取り巻く環境に大きな変化がありました。
★青森放送 對馬敬記者
「ここは本来ゲレンデなんですが雪がほとんどありません」
1月、雪不足でスキー場は営業を休止。
スキー大会も中止や開催地の変更を余儀なくされました。
★青森放送 木下玲斗記者
「県内各地で雪不足の影響が出ていますが雪のアクティビティを楽しめるこちらの施設も延期となっています」
2月の弘前城雪燈籠まつりは懸命に雪を集め、開催にこぎつけました。
気候変動は暖冬少雪という具体的な形で現れました。
県の平均気温は温暖化対策が進まなければ、21世紀末5度近く上昇すると予測されています。
気温の上昇が農林水産業に与える影響は避けられません。
2月のコメの食味ランキングで「青天の霹靂」はデビュー9年目にして初めて「特A」を逃しました。
去年夏の猛暑の影響です。
★コメ農家 橋本慶毅さん
「やっぱり青天の霹靂は『特A』をとらなきゃだめだし、最近特に高温障害も出てきているので」
猛暑の影響は続きコメ売り場でも…。
★青森放送 能代谷俊朗記者
「青森市のこちらのスーパーではおコメ売り場に商品が無くなってしまっています」
9月、スーパーから一時米袋が消えました。
★買い物客
「どこ回っていても何もなくて」
「今(家に)ないのさ」
品質低下と収穫量の減少などが要因です。
秋の新米価格は去年に比べて倍近い高値となりました。
暑さの影響を避けるためコメの栽培に導入されたのが…。
★コメ農家 福士広基 さん
「『飽水管理』今年はもう全面すべての田んぼをそれで管理しています」
田んぼに水をためず土が湿った程度に保つ栽培管理です。
県は今年初めて「飽水管理」を呼びかけました。
この結果…。
★検査員
「基準をクリアしています」
9月の初検査は全量1等米。
県産米は一等米比率が大幅に改善しました。
流通量の安定と品質低下の解消につながるとみられています。
★青森放送 菅原厚キャスター
「暑い陽射しが照りつけるなか、陸奥湾の海水温も高く推移しています。その影響を受けるのが陸奥湾ホタテです」
気候変動は水産業にも大きな影響が。
去年の猛暑の影響で稚貝の半分以上がへい死した陸奥湾ホタテ。
春から始まった水揚げは…。
★ホタテ漁師
「今年は大変、ホタテがさらに死んだ」
「(去年に比べて)半分もないよ 全然ない少ない」
1年物のホタテ「半成貝」は、いつもの年の半分以下まで落ち込みました。
今年も6月中旬から平年を上回る水温で推移。
県内でへい死率が最も高い青森市漁協では…。
★青森市漁協の漁師
「うちらの漁場では水深20メートル前後です。いまの状態ではホタテ養殖は不可能ではないか」
東北大学の研究センターは、陸奥湾の高水温に耐えられるカキ養殖の可能性を探っています。
★共同研究員 AWESOME SEA合同会社 三上拓也代表
「ホタテにひじょうに養殖の生態が似ているカキであれば可能性としてはあるのではないかと思っています」
八戸前沖では12月から海面でのカキの試験養殖が始まりました。
★八戸市水産事務所 茨島隆所長
「ひじょうに大きな一歩だと考えております」
海の異常な高水温で回復の兆しが見えないのがサケです。
漁獲量は昨年度ピーク時の70分の1以下に落ち込み、今年も不漁が続いています
★奥入瀬川鮭鱒増殖漁協 戸来敏幸組合長
「今年はもういちばん最低じゃないかなと思っている」
こうした中注目されているのが、海洋環境の変化に左右されにくい陸上養殖です。
八戸市で挑戦する会社が出てきました。
★嶋脇漁業 養殖責任者 吉田徳光共同代表
「これから5年10年経ったらこういう陸上養殖というのが必ずどんどん増えていくのは間違いないと自分は思っています」
農林水産業に密接に関わる気候変動。
環境の変化に適応するため新しいかたちを模索する1年となりました。
最終更新日:2024年12月20日 17:49