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【特集】短命県返上 郷土料理で「スマート和食」

2024年4月3日 17:11
【特集】短命県返上 郷土料理で「スマート和食」

短命県返上に向けた取り組みの特集は「スマート和食」です。「スマート和食」とは内臓脂肪をためにくい食事法とされ弘前市で開かれた試食会ではあの郷土料理がアレンジして振る舞われました。

★菅原キャスター
「スマート和食のレシピで作る料理の試食会がこちらで開かれるんですが一体どんなものなんでしょうか?」

試食会は先月末、弘前大学医学部の学生たちが立ち上げたNPO「医カフェ」を運営する学生たちが参加し、弘前市の健康とまちのにぎわい創出事業の一環として開かれました。この日作るのは津軽の郷土料理の「いかめんち」と「けの汁」をアレンジした「スマート和食」、「巾着いがめんち」と「洋風けの汁」です。
「スマート和食」は総合家庭用品メーカーの花王が10年前に開発した内臓脂肪をためにくい食事法です。弘前大学と「岩木健康増進プロジェクト」などの共同研究を進めている花王は去年弘前市と共同で郷土料理を含む8つレシピを載せたレシピ集を作りました。郷土料理をスマート和食化したのにはあるきっかけがあったといいます。

★花王GENKIプロジェクト 森本聡尚さん
「青森県民の方の内臓脂肪を何千人と測ってきたところほかの地域と比べても若い世代から内臓脂肪がすごく多いということに気がつきました 糖尿病とか心臓病とか脳卒中とかに進んでしまいやすいので若い時から始まっているというのはひじょうに重大な問題だと内臓脂肪を減らすような食べ方をぜひ青森県で広めていきたい」

スマート和食は「タンパク質」、「食物繊維」に加えてサバなどの青魚に多く含まれるDHAなどの脂肪酸「オメガ3」の3つの栄養バランスでしっかり食べても太りにくいのが特徴です。この3つの栄養バランスを保つにはごはんを中心に主菜1皿副菜2皿をそろえ主菜の魚と大豆製品はそれぞれ1日1回ずつ。肉は低脂肪のもの。副菜には旬の野菜や果物などをまんべんなく食べ油を使った料理は1食に1皿としています。

学生たちは管理栄養員の手ほどきを受けながら挑戦しました。

「巾着いがめんち」は普段口にするいかめんちと違い炒めた具材を油で揚げず巾着に入れオーブントースターで焼き色がつくまで焼きます。

けの汁は根菜類を煮込み柔らかくなったら蒸し豆を入れて混ぜます。そこに粉末のポタージュスープを投入。

★県食生活改善推進員 斎藤明子 副会長
「普段は味噌味なんですけど洋風で自宅でも簡単にできます」

お好みでカレーパウダーを入れてできあがりです。

「巾着いがめんち」も完成しました。

主菜の「巾着いがめんち」を私もいただきました。

★菅原キャスター
「確かに中身はいがめんちなんですが油っ気がなくてヘルシーな感じがします」

★県食生活改善推進員 斎藤明子 副会長
「油を控えてたんぱく質をとるということが特徴です」

副菜は「洋風けの汁」です。

★菅原キャスター
「普通のけの汁に比べると味は薄めなんですが野菜本来の味が染み出ていまして野菜ポタージュといった感じですね」

★県食生活改善推進員 斎藤明子 副会長
「塩分を抑えるカレー味でアクセントをつける なんといっても青森県民の野菜の摂取量(1日あたり)あと70グラム足りないということでけの汁一杯食べれば充分クリアできます」

夕方この日作ったスマート和食の試食会が行われ道行く市民に振る舞われました。

★試食した人
「おいしい」
「いかめんちも食べたことはありますがこんなにあっさりして脂っこくないのは初めてです」
「(けの汁)食べやすいねこのくらいだったら小さい子でも食べられるし 高齢者がいると90歳のおばあちゃんでも食べやすいね」
「けの汁という感じで食べられたら汁物食べられない人でもお正月気分を味わえる」
「体によさそうだよね」

試食会に参加した大学生たちも大きな収穫があったようです。

★参加した大学生
「自分が看護学専攻なのでいろんな人と関わりながら健康を広めていきたい」

★弘前大学医学部「医カフェ」リーダー 佐々木慎一朗さん
「ひじょうに我々自身としても勉強になりながら郷土料理を守れる (スマート和食)メニューを今回のようなイベントだけではなくて実際に(医カフェの)メニューとして提案するのが 僕たちのできること」

★弘前市企画部企画課 長内夏希 主事
「大学生の頃からこうした健康の取り組みをしている 若い世代にも健康に関心を持ってもらえるきっかけになるのかなと思っています」

栄養のバランスがとれていて内臓脂肪をためにくい「スマート和食」。郷土料理が加わって「食と健康」のさらなる広がりが期待できそうです。

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