特集は県産りんごを使ったブランデー作りに取り組んでいる平川市のシードル醸造所です。
社長の水口さんはアップルブランデーを世界で販売しりんご産業の衰退を防ぎたいという強い思いがあります。


プランデー作り平川市でりんごの酒を醸造している会社の「タグボート」です。
先月、実がまるごと入ったアップルブランデー「ポム・ド・イブ」の瓶詰め作業が行われていました。
瓶の中にりんごの実が入ったブランデーの量産化は国内で初めてで今月下旬に200本限定で販売する予定です。
瓶の中のりんごは小さなうちに瓶に入れてそのまま成長させた、ふじです。
時を重ね熟成させると生りんごのフルーティーな香りが合わさりよりまろやかに。
水口清人社長はこのアップルブランデーで世界に打って出ようとしています。

★タグボート　水口清人社長
「5年越しぐらいで研究を重ねてモニタリングをしていって、ようやくことし販売できるというところまできましたので」
「これから青森県を代表するお土産物あるいはギフトになってくると思っています」

タグボートは2022年にシードル「クレイジーサイダー」の製造を開始。
さらにシードルを蒸留することでできるアップルブランデー「クレイジーデイズ」を去年1月に発売しました。
原料に県産りんごを使ったりんご酒の販売を拡大することでりんご産業の衰退を防ぎたいという強い思いがあります。

★タグボート　水口清人社長
「りんごの生産農家も耕作放棄園とか高齢化で皆さん担い手がいなくて減少していく昨今なので、我々がこういった新しい形でりんごのお酒の産業として成長させていければもっともっと多様なりんご産業になっていくんじゃないかと思って、それが世界にどんどん青森県のりんごということで広めていくことで、まだまだ未来はつくれるんじゃないかと思って今チャレンジしています」

弘前市内の酒販売店です。
こちらではアップルブランデーを知らない人のために飲み方をポップで紹介しています。

★弘前銘醸　加藤宏幸社長
「とっても評判は良いです徐々にリピーターも増えてきて、まだまだこれからの商品ではありますけれども一生懸命売っていきたいと思っています」
「飲み方は炭酸割りハイボールのようなかたちでどんどんカジュアルに料理に合わせて飲んでくださいと薦めています」

販路拡大のため現在クラウドファンディングで支援を募って販売しており、目標額の500万円に対して2倍のおよそ1,000万円の支援が集まっています。
またプロクレアホールディングスはタグボートのブランデー事業の成長に向け去年12月ファンドを通じて投資を決定しました。
第2工場予定地の駐車場集まった資金で、ことし新しく第2工場を建設する予定で、完成すれば製造能力は3倍になります。

★青森みちのく銀行ビジネスパートナー課　泉山航太チーフプランナー
「（投資決定した理由は）アップルブランデーの事業を展開していく事業者様の収益性に関してひじょうに向上していくものだと思いまして、そういったところが中心となって決めさせていただいたと」
「県内だけではなく県外、ひいては海外というところまで我々のグループの力を使ってどんどんお役に立てればと思っています」

先月県などがシンガポールでトップセールスを行った際のレセプションでシードルの「クレイジーサイダー」が乾杯のドリンクに使われました。
泉山さんたちは海外販売の足がかりをサポートしました。

★青森みちのく銀行ビジネスパートナー課　泉山航太チーフプランナー
「ひじょうにおいしいということでどこに行ったら買えるんだろうと現地のバイヤーの声もありまして、ひじょうに好評でした」

ただ世界進出には課題もあると指摘します。

★青森みちのく銀行平川支店常田淳 支店長「世界進出をビジョンとして今やっておりますけれどもやっぱりまだまだ知名度不足というところはあると思います」「一緒にタッグを組んで一体となってこれから事業の発展に協力していければと思っています」

始まったばかりのアップルブランデー事業、水口社長は醸造する会社が増えることを期待しています。

★タグボート　水口清人社長
「やっぱり青森県のりんご全体のブランド価値がどんどん上がっていくということをめざしていますので、まだまだ小さい事業ですけれどもこれからたくさんの仲間が増えてくることで大きな産業になっていけばという思いを持っています」

水口社長のアップ「夢中な日々」という意味のアップルブランデー「クレイジーデイズ」。
夢中になって世界をめざすという水口社長の思いが込められています。