今治の山火事3日目 火の勢い収まらず延焼続く…山のふもとの建物にも火が

おととい今治市で発生した山火事は3日目のきょうも火の勢いは収まらず、延焼を続けています。取材中には山のふもとの建物が燃えているのも確認されました。中継です、松本さん。
【中継】
山火事は3日目となったきょうも延焼していて、現場では、きょうも早朝から自衛隊のヘリなどが出動し陸と空から消火活動にあたっていますが、鎮圧のめどはたっていません。
午後4時すぎ、今治市内の桜井地区で建物が燃えているのも確認されています。懸命な消火活動が続いていますが、火の勢いは依然おさまっていません。
この山火事で、今治市は避難指示エリアを拡大し、現在、西条市とあわせて3765世帯7342人に避難指示が出ています。
被害が広がる山火事、市民生活にも影響が出ています。
きょう午後4時すぎ、火災現場の近く、今治市郷桜井では。
竹林記者:
「山火事の影響なのか建物から炎が高く上がっています」
建物から激しく炎が上がっています。撮影を続けていると、炎は激しさを増し消防などが消火活動に追われていました。
近隣住民:
Q燃えているのは?
「家っていうか倉庫。火は見えんかったけど、灰はだいぶ降ってきました」
どよめきが広がる電車の車内。午後1時半頃のJR伊予桜井駅です。
女性:
「ヤバッ!ヤバいこれヤバい」
火の手が駅の近くまで迫り、乗客は電車から降りて避難することになりました。
きょう午後1時半ごろ、火災現場の近くの国道では。
三宅記者:
「うおーーやばいってこれ」
炎が国道のすぐ近くまで押し寄せています。この炎は小学校がある住宅地からもはっきり見えます。
記者:
「学校のすぐ裏の山が燃えています。ヘリコプターが近くのため池からでしょうか、何往復もして消火活動を行っています。近くでは渋滞も発生しています」
発生から50時間が経過して、すこしずつ住宅のある方向に延焼が広がっている今治市の山林火災。
きょうも早朝から、県や自衛隊のヘリ、あわせて7機が。そして地上からのべ1291人が消火活動を行いましたがいまだ鎮圧には至っていません。
火災現場はJR今治駅から南東およそ10キロの場所にある、西条市との境。きのうの夕方時点では、赤で囲んだエリアで燃えていましたが、その後西側に燃え広がり、これまでに少なくとも214ヘクタールが焼けています。
消失面積は平成以降、県内で過去最大となっています。
きのう夜にも…スマートフォンから、避難指示エリアの拡大を知らせる音が鳴り響きました。
緑ヶ丘の住民:
「かなり炎が見えました。もう足が震えていました今も。前(2008年)笠松山がものすごく燃えたんですよ4,5日。その時も怖かったが今度はもっと近いですから」
新居浜市から来た孫は…
孫:「これ水とパンと避難所で足りんかったらいかんと思って」
祖母:「ありがとう」
孫:「足りんかったら言ってよ買ってくるけん」
孫:「地図で見る感じだと山の頂上まで(火が)行ったらすぐそこみたいなところにあるので避難してくれとるのは すごくうれしい」
祖母:「大丈夫やから」
孫:「それでも心配なけん。最悪家とか燃えてしまってしょうがないところあるんやけど、人が亡くならんというところが 一番だと思いますのでそれだけを祈っています」
そして迎えた、3日目の朝。
三宅記者:
「依然として広い範囲で山から白い煙が上がっているのが確認できます」
激しく燃え黒く焼け焦げた山。住宅のすぐ近くでは白い煙も上がり続けるなど、火の勢いは変わらぬまま…
避難指示地区にある今治市の朝倉小学校。体育館が避難所として使われ、けさ7時の時点で41人が避難。きょう行われるはずだった終業式は、中止となりました。
きのう卒業式だった久田楓雅さん(小6):
「卒業式の日に山火事が起きたら悲しいし、不安で春休みに友達とかと遊ぶ予定があったが山火事のせいで遊べなくなった」
保護者 久田貴志さん:
「早くおさまってほしいというのが一番ですね。あとはみんなが頑張ってくれよんで感謝」
今治市は午後5時40分に避難指示エリアを拡大。現在、西条市とあわせて3765世帯7342人に避難指示が出ています。
影響は、ライフラインにも及んでいます。
穴井記者:
「こちらでは信号機が停電するなど、市民の生活にも影響が広がっています」
午後0時半頃、現場周辺の地区で一時5000戸を超える停電が発生。原因は不明ですが、火災が影響しているとみられています。
休暇村瀬戸内東予 徳増達朗営業課長:
「今は影響ないようですけれども、 きのうは駐車場も海側も真っ白になりました。(発生当日は)夜暗くなってから火の手が上がるのが間近に見えまして、ちょうど風向きもこちらに向いて吹いてましたんで、結構恐怖を感じました」
山林の東側、瀬戸内の景色が自慢の宿泊施設では、宿泊や宴会のキャンセルが相次いでいるといいます。
徳増さん:
「いまちょうど歓送迎会シーズン なんで、ご予約たくさんいただいてたんですけど、きのう、おととい、あしたと3件キャンセルになってます。合計100名様くらいの宴会がキャンセルになりました。何よりも早く鎮火してもらいたいです。お客様に鎮火した、というのをお伝えして安心して来てもらいたいと思います」
おとろえる気配のない火の勢い。
穴井記者:
「火が上がりました。住宅の奥で大きく火柱が上がっています」
最初に火が出た長沢地区でも住宅に火の手が迫っているという情報があり、県や自衛隊のヘリによる放水をはじめ、懸命の消火活動が続けられています。
【中継】
こちらの朝倉公民館には、現在10世帯16人の方が避難しています。
四国電力は先ほど会見を開き、このまま延焼が拡大した場合、今治市全域7万6000戸が停電する可能性があるとして、万が一の場合に備えて、懐中電灯の手配や携帯電話の充電など備えを行ってほしいとしています。
一刻も早い鎮火を願いながら、3日目の夜を迎えようとしている今治市朝倉から中継でお伝えしました。