【横断中の事故多発中】ドライバーは“右から横断してくる歩行者”に注意!そのワケは?
今月、愛媛県松山市で横断歩道を渡っていた歩行者が車と接触し、死亡または意識不明の重体となる事故が1日に2件、相次いで発生しました。
日没が早くなるこの時期、例年交通事故が増加する傾向で、ドライバーは特に「右から左に横断してくる歩行者」に注意が必要だと言います。そこには意外なワケがありました。
1件目の事故は、午前4時半頃、松山市山越で発生しました。
現場は、押しボタン式の信号機がある横断歩道で、大型トラックが横断歩道を歩いて渡っていた51歳の男性をはねました。
歩行者の男性は頭を強く打ち、意識不明の重体となりました。
2件目の事故が発生したのは、午後5時半頃、松山市高浜町1丁目の信号機のない横断歩道です。
普通乗用車にはねられたのは近くに住む80歳の男性で、事故からおよそ50分後に死亡が確認されました。
県内では、11月4日からの1週間に道路を横断中の歩行者が絡む重大事故が6件(死亡2件、重体1件、重傷3件)発生していて、このうち5件は歩行者の安全が守られるべき横断歩道上で起こりました。
愛媛県警はこの事態を受け、次のように呼びかけています。
<ドライバーに対して>
①慣れた道路であっても前方をしっかり見て油断しない
②信号機のない横断歩道の手前30mに標示されている「◇マーク」が見えたら、アクセルペダルから足を離して安全確認をする
横断しようとする人がいたら、必ず一時停止をする
<歩行者に対して>
①車が来ていないことを確認してから横断する
②横断歩道を横断する時は、少しでいいので手を上げて「渡る」という意思表示をする
現在の愛媛県の日没時刻は午後5時10分頃。12月上旬には、午後5時を待たず日の入り時刻を迎えます。
日没が早まり、帰宅時間帯にはすでに薄暗くなってしまっているこの時期、事故を防ぐために重要なのが「早めのライト点灯」と、「反射材の活用」です。
交通事故総合分析センターによると、夜間、道路を横断中の歩行者が車にはねられて死亡する事故では、ドライバーから見て「右から左に横断中」が7割「左から右に横断中」が3割と、右から左に横断する歩行者をはねる割合が高いことが分かっています。
その要因の一つとして考えられるのが、ヘッドライトの光の範囲が左右で違うことです。実は車のヘッドライトは、対向車がまぶしくないように右側の照射範囲が狭くなっているのです。
ドライバーは、歩行者をいち早く発見するために早めにライトを点灯し、必要に応じてロービームとハイビームをこまめに切り替える必要があります。
また、歩行者は反射材を着用することや明るい服装で出かけることが重要です。
特に夜間に道路を横断する可能性がある場合、腕や足などのよく動く場所にバンドタイプの反射材を巻くなど、体の‟横”を意識して、自身の存在を示すのが効果的です。
愛媛県警は、11月30日までを「夕暮れセーフティ」期間とし、横断歩行者妨害や交差点関係の違反取り締まりを強化しています。
悲惨な事故をなくすために…
ドライバーも歩行者もそれぞれの立場で、今できることを始めてみませんか?