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水泳授業中の安全対策のルールについて 高知県教育委員会に聞く【高知】

2024年7月10日 19:01
水泳授業中の安全対策のルールについて 高知県教育委員会に聞く【高知】
7月5日に発生した、高知市の長浜小学校の男子児童が中学校のプールで行われた水泳授業中に死亡した事故。水泳授業はこれまでどのような基準のもとで行われてきたのでしょうか。安全対策のルールなどを高知県教育委員会に聞きました。

県教委によりますと、水泳授業中の死亡事故は1998年度以降で初めてのことでした。
そもそも安全対策は通常どのように行われるのでしょうか。

確認すると明確なルールや基準がないことが分かりました。

まず、監視体制についてはスポーツ庁が作成した文書で複数体制とあるのみで、児童数あたりの教員の数は定められていません。また、児童の命を守るために有効なライフジャケットなどの着用については、浮く際の補助具の活用法が示されているだけです。

プールの深さについては現在は基準が設けられておらず、文科省の水泳指導の手引きでは適切な水位として対象学年・体格・泳力などに応じた無理のない水位の設定を求め、児童に応じて浅い場所を選んだり水を抜くことを示しています。

今回の取り返しのつかない事故は中学校のプールを小学生にそのまま利用させたことが大きな要因の1つとみられていて、小学校と市教委が安全性を十分協議しないまま中学校のプール利用を決めていたことが分かっています。

今回の事故を受けて文部科学省は7月8日、全国の教育委員会などに水泳授業での児童生徒の安全管理、安全指導の徹底を通知しました。その上で普段使用しているプールと異なる環境で授業を実施する場合も含め、適切な対応の徹底を求めました。

児童の身長と水深の目安など安全対策に一歩踏み込んだルールづくりが早急に求められます。
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