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「贋作の可能性が高まった」県立美術館が所蔵する絵画【高知】

2025年2月7日 18:42
「贋作の可能性が高まった」県立美術館が所蔵する絵画【高知】
高知県立美術館が所蔵する贋作の疑いがある絵画についての科学分析調査の経過報告が2月7日に行われ、県立美術館は「贋作の可能性が高まった」と発表しました。

県と県立美術館が会見を開き、美術館が所蔵するドイツの画家ハインリヒ・カンペンドンクの作品「少女と白鳥」の贋作疑いについての科学分析調査の途中経過を報告しました。

「少女と白鳥」は1995年に世界的なオークション会社クリスティーズで6万7500ポンド、当時の為替レートで約1000万円で名古屋の画廊が落札したものを1996年に県が1800万円で購入しました。

去年6月にドイツの贋作師ヴォルフガング・ベルトラッキ氏による贋作の疑いが高まり、去年10月から県立美術館が京都大学の田口かおり准教授と科学分析調査を進めています。

ベルトラッキ氏はこれまで300点以上の贋作で86億円をだましとったとされ、2011年に詐欺罪で有罪判決を受けています。

今回の調査報告では、作品の裏に貼ってあるどの作家がいつ描いたかを示す「来歴」を示すラベルがドイツの著名な画商のラベルをまねたベルトラッキ氏の制作だと確認されました。さらに、絵具の成分が、作品を制作したとされる1910年代では一般的ではない材料を使用した可能性が高いことが判明していて、県立美術館は、この絵画について「贋作の可能性が高まった」としました。

作品は今年度中に調査の最終報告が行われる見通しで、県は贋作と判明した場合の法的手段について弁護士と相談しているということです。県立美術館では県民の要望が高まれば作品の展示についても検討したいとしています。
最終更新日:2025年2月7日 18:42
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