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21年ぶりに高知で開催 『棋王戦』第1局は藤井聡太七冠が白星【高知】

2025年2月3日 18:52
21年ぶりに高知で開催 『棋王戦』第1局は藤井聡太七冠が白星【高知】

将棋八大タイトルのひとつ、棋王戦の5番勝負が2月2日に高知市で開幕し、3連覇を目指す藤井聡太七冠は第1局で白星を飾りました。
高知県で将棋のタイトル戦が開催されるのは21年ぶりで、多くのファンが手に汗握る展開を見守りました。

第50期「棋王戦」五番勝負、第1局の舞台は、高知市・かるぽーと。
1日、対局が行なわれる部屋に藤井聡太棋王と挑戦者の増田康宏八段が姿を見せ、照明の明るさや対局で使用する駒の感触を確認する「検分」を行いました。
藤井棋王は、2016年に史上最年少の14歳2カ月でプロ棋士となり、史上初の八冠独占を果たすなど数々の記録を打ち立ててきました。一方の増田八段は西の天才・藤井棋王に対し、東の天才”と称される実力者で今回がタイトル初挑戦になります。2人は、言葉を交わすことなく「検分」は5分で終了しました。

このあと高知市の城西館では前夜祭が行われました。2人の姿を一目見ようと、約300人が訪れました。
大人気の藤井棋王が登場すると、会場は大きな拍手に包まれました。電車好きで知られる藤井棋王は念願の土讃線に乗車したことも明かしました。

一夜明け。県内では21年ぶりとなる将棋のタイトル戦。先に増田八段が入室。その2分後に藤井棋王が姿を見せました。
はじめに、先手を決める「振り駒」が行われ、藤井七冠の先手で、午前9時に対局が始まりました。

2人の対戦成績は藤井棋王の6勝1敗。藤井棋王は初手で飛車の前の「歩」を押し出すと、増田八段も同じ手でこれに応じました。棋王戦に合わせ、かるぽーとの四国銀行ホールロビーでは、「指導対局」が行われました。プロの棋士が一度に8人と将棋を指しながらアドバイスを送ります。

また午後からは大ホールで「大盤解説会」が行われ、プロ棋士たちがスクリーンに映し出された将棋盤を使って、戦況をわかりやすく説明。
聞き手を南国市出身の女流棋士・島井咲緒里二段が務め、約850人の観客が真剣な表情で見入っていました。

勝負だけでなく対局中の昼食も「勝負飯」として注目されています。城西館では和洋6品を準備。
その中から、藤井棋王が選んだのはー

県産の黒毛和牛がふんだんに入った「ビーフカレー」。そして山北みかんジュース。
一方、増田八段が選んだのは「土佐あかうしローストビーフ重」と県民のソウルドリンク「リープル」でした。

県内で前回の2004年に開催されたタイトル戦も「棋王戦」で、その時の使われた「盤」と「駒」が今回も使用されました。
提供したのは小野憲三さん。小野さんは日本将棋連盟のアマチュア6段、全国支部名人戦で優勝の経験もある腕前です。

対局は、中盤まで互角の戦いが繰り広げられましたがその後、藤井棋王が優勢となり、午後7時過ぎ127手で増田八段が投了。藤井棋王が3連覇に向け白星スタートを切りました。
21年ぶりのタイトル戦で盛り上がった2日間。棋王戦第2局は2月22日に石川県金沢市で行われます。
最終更新日:2025年2月3日 18:52
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