瀬戸大橋で列車約6時間立ち往生「救出用の渡り板が見つからず」
今月(11月)10日、瀬戸大橋で、JRの快速列車がおよそ6時間、立ち往生した問題です。JR四国は乗客が列車を乗り換えるための「非常用渡り板」が見つからず、救出の開始が、およそ2時間遅れたと明らかにしました。
今月10日朝、JR瀬戸大橋線の児島駅と宇多津駅の間で架線が切れ、高松発岡山行きの快速マリンライナーが瀬戸大橋の上で緊急停止。乗客150人が、およそ6時間に渡って車内に閉じ込められました。
JR四国は今日の会見で、乗客の救出が大幅に遅れた理由として「非常用渡り板」が見つからなかったことを明らかにしました。
救出のための列車を横付けして乗客を移す計画でしたが、最寄りの児島駅に保管している渡り板がマニュアルに定めた場所に無く、香川県の坂出駅から急遽、車で運んだため、救出用列車の出発が、およそ2時間遅れたということです。
(JR四国 坂中真文安全推進室副室長)「この2時間が無ければ、もう少し早くお客様の不安を解消出来た。この2時間を重く受け止めている。非常に不安だったと反省している。」
児島駅の渡り板は、瀬戸大橋線開通以降36年間使ったことがなく、2013年に保管場所を変更した時にマニュアルを修正していませんでした。また定期的な点検もしていなかったということです。
一方架線が切れた原因は特定出来ず、東京の鉄道総合技術研究所に調査を依頼。原因の究明を急ぐと共に、再発防止に向けマニュアルの改善や、非常用設備の適切な管理を含め、従業員への指導・教育を進めていくとしています。