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【橋げた落下】静清バイパス事故から半年… “独自取材”で見えた「原因」(2023年12月28日放送「every.しずおか年末SP2023」)

2023年12月29日 18:39
【橋げた落下】静清バイパス事故から半年… “独自取材”で見えた「原因」(2023年12月28日放送「every.しずおか年末SP2023」)

事故は7月6日、静岡市清水区の静清バイパスで起きました。「立体化工事」中に長さ約63メートルの橋げたが落下。作業員2人が死亡6人が重軽傷を負いました。

(徳増 ないる キャスター)
「こちらですね。およそ半年前の7月6日、こちらで高架道路をつくろうと工事をしていたところ、橋げたが落下しました。実際、あの日何が起きていたのか、見ていきたいと思います」

事故からまもなく半年。Daiichi-TVのカメラが初めて橋げたが落下した現場に入りました。

(徳増 ないる キャスター)
「こんにちは。きょうはよろしくお願いします」

事故が起きたバイパス工事を発注した静岡国道事務所の静川淳副所長。

高架に上がるために必ずつけるのが命綱などの「安全装置」です。

(徳増 ないる キャスター)
「事故が起きたときは、皆さん着けていた?」

(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「はい、着けていました」

私たちは橋げたが落下した高架の上へ。

(徳増 ないる キャスター)
「到着しました。上ってみるとかなり高さがあります。およそ9mでしたっけ。周りには住宅街、山も見えて地上とは違う景色が広がっていますね」

現場には今も事故の痕跡が…

(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「こちらが、橋げたがあたったところです」

(徳増 ないる キャスター)
「傷ついているように見えますがこれが落下したときの痕跡ですか?」

(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「そうです。大きな力がかかっていたことが分かると思います」

(徳増 ないる キャスター)
「金属の部分が削れて少し変形しています」

橋げたは高さ9メートルのところにかけられる予定でした。

静清バイパスの「立体化工事」が本格的に始まったのは5年前。東名・清水インター周辺の2.4キロを高架化し、慢性的な渋滞の緩和と物流の効率化が目的でした。工事は国の静岡国道事務所が発注し、複数の建設会社による共同企業体が請け負っていました。

(徳増 ないる キャスター)
「ここはかなり広いスペースですが、当日はどんな作業をしていたんでしょうか」

(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「レールで組み立てた橋げたをスライドさせて、最後に一番端に、桁をつないで完成ということになる」

重さ140トンもの橋げたはなぜ落下したのでしょうか。

(徳増 ないる キャスター)
「ここがまさにその橋げたが落下した場所になりますよね」

(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「横にスライドして一番端のところにつながるわけですけれども、そことこちらの「支承」といいまして、橋げたを支える部分に、こちらに落として固定することで設置が完了することになります」

当時、現場では橋げたを11メートル横にずらす作業が行われました。その後、橋げたに「セッティングビーム」と呼ばれる補助具をつけて橋脚におろす作業が行われましたが20センチほどずれてしまったといいます。

(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「作業をしていると横にずれるということもありますので、めずらしいことではないですね」

(徳増 ないる キャスター)
「ずれたときの対処法は?」

(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「現場の作業員の方が見ながら、機械を動かしながら作業をしている」

当時も“ずれ”を直すためにもう一度、橋げたを持ち上げましたが、土台が不安定な状態に…橋げたが、バランスを崩して落ちたということです。現場で用いられたのは、橋げたをかけるための一般的な工法でしたが、国の事故調査委員会は「土台をしっかり固定していなかったこと」が主な原因とみています。

(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「事故のときは、この橋げたを支えている台が全体的に固定がなされておらず、不安定になりまして、このセッティングビームが台から落ちて、橋げたにあたり、橋げたとセッティングビームをつないでいる部分に大きな力がかかり、ボルトが破断して橋げたが落下した」

1月末には、事故が起きた区間で工事が再開される予定です。工事は、これまでの業者が引き続き行いますが、「橋げたを支える土台をしっかり固定すること」に加えて正確に設置できているか工程ごとに確認しながら行うということです。

(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「(橋げたのずれが)大きくなる前に確認をして、異常かどうかを確認しながらやるということになります」

(徳増 ないる キャスター)
「対処の仕方は、そこまで決められていなかったということでしょうか?」

(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「決められていなかったので、新たに安全を確保するということで設定している」

静清バイパスの「立体化工事」は、当初予定していた上り線の2026年春の開通が遅れる見込みです。県警は、業務上過失致死傷の疑いで作業方法や安全管理に問題がなかったか捜査を続けています。

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