震災の爪痕深く残る能登支援へ 静岡市の老舗企業が現地でチャリティーコンサート 会場に希望の笑顔
能登半島地震の被災者たちは今もなお、元の生活を取り戻そうと復興に取り組んでいます。そんな中、4月11日、静岡市の老舗企業が被災者を元気づけようと「福祉コンサート」を開きました。
2024年1月発生した、能登半島地震。最大震度7の大地震は甚大な被害をもたらしました…。
あの日から、およそ1年3か月。4月11日、大きな被害を受けた石川県七尾市で、「福祉コンサート」が開催されました。
(コンサートの音)
美しい音色と、たくさんの笑顔!コンサートを企画したのは静岡市に本社を置く村上開明堂です。1882年に創業した村上開明堂。「自動車のバックミラー」は国内シェア1位を誇る「自動車部品メーカー」です。なぜ「福祉コンサート」を開催したのでしょうか?
(村上開明堂 島村昌宏取締役)
「創業130周年を機に社業に通じる『人の役に立つ』という経営理念を掲げました」
村上開明堂はこれまで、「スポーツ事業」を通して障害者支援活動などを行ってきました。
「福祉コンサート」も2022年から静岡市で3年連続で開催!
(村上開明堂 久保氏)
「今回は直接被災地へ行こうと!」
コンサート会場の七尾市から車でおよそ1時間にある輪島市。
(記者)
「瓦がまだ剥れている家もあるんですね~」
倒壊したままの建物も…いまだに震災の爪痕が色濃く残っていました…。
こちらはその輪島市にある「夢かぼちゃ」。知的障害や発達障害のある人たちのコミュニティスペースで、今回、利用者たちもコンサートに招待されました。
「夢かぼちゃ」も地震でガラスが割れたりするなど大きな被害を受け…不安を拭いきれない利用者もいるといいます。
(NPO法人夢かぼちゃ 山岸 賀寿美さん)
「道がガタガタな所を歩くとちょっと思い出す利用者もいる 怖いとか不安になったりすることはまだあります」
「楽しむ場所が全く作れていなかったので今回のコンサート はありがたいと思います」
インフラが完全に復旧していない中、“イベント事”が減り、外出する機会が減ったという障害のある人たち…。彼らにとってもこのコンサートは“貴重な機会”なのです。また、今回のコンサートに賛同した県内企業、「河合楽器製作所」からピアノが提供され…「はごろもフーズ」からは、商品のプレゼントも!共にコンサートを盛り上げます。
(村上開明堂 村上太郎社長)
「震災で傷つかれた心や、長期間にわたる、復興活動でそういった疲れを少しでも癒やしていただければ幸いです。」
演奏者はピアノやヴァイオリンで 世界でも活躍するアーティストの3人で、このコンサートの特徴は、3人の演奏と共に声を出して、立ち上がってもOK!みんなで楽しめるコンサートです。
東京パラリンピックの閉会式でも演奏したヴァイオリニストの式町水晶さん。自身も「脳性まひ」と闘っています。コンサートへの思いは?
(式町水晶さん)
「十分すぎるほど耐え忍んで、頑張りすぎていらっしゃる方々なので、どうか頑張り過ぎない、楽しいリラックスした時間を過ごしていただけたら嬉しいなと思って…」
(ふるさと・歌合唱♪~拍手)
(来場者)
「気持ちすごくなんかすっきりしました。」
(記者)
「癒やしになりました?」
(来場者)
「癒やしになりましたもちろん。」
(来場者)
「楽しかったです。」
(来場者)
「いい曲だなと思ったりして涙が出た。」
まだまだ完全な復興までは遠い道のり…それでも11日、被災者たちの顔には希望の笑顔があふれていました。