【浜岡原発】「防波壁」を海抜28メートルに“かさ上げ”…原子力規制委との会合で明らかに(中部電力)
中部電力は、静岡・浜岡原発の津波対策である防波壁について、現在の海抜22mから28mに“かさ上げすることを、13日の原子力規制委員会との会合の中で公表しました。
中部電力の林社長が、13日 午後4時から始まった原子力規制委員会との会議で明らかにし、委員会に説明しました。
(中部電力 林 欣吾 社長)
「防波壁等の設計方針を見直したい。防波壁については高さ海抜22mの既設の防波壁を高さ28メートルへかさ上げし、それにともなって一層堅牢な構造になるように設計方針を変更したいと考えております」
東日本大震災を受け、津波対策の柱として建設した防波壁を巡っては、2012年に国が南海トラフ巨大地震による津波を最大19メートルと想定したため、当初の海抜18メートルの高さを22メートルまでかさ上げし、2015年に完成させました。その後、再稼働に向けた国の審査を受ける中で、中部電力は試算を重ね、21.1メートル、22.5メートル、22.7メートルと、想定する津波の高さの“上方修正”を繰り返してきました。
そして2024年。中部電力は南海トラフ巨大地震による津波と、海底での地すべりが重なって発生すると、津波は最大25.2メートルに達するとの、さらに厳しい想定を示しました。これに対し、原子力規制委員会は、10月の審査会合で、この想定が「おおむね妥当」であると了承したのでした。
(中部電力 本店 原子力本部 天野 智之 原子力土建部長)
「浜岡の最大の論点が、基準津波が確定いたしまして、昨年9月に基準地震動も確定していますので、これで耐震設計だとか津波設計方針といったところの審査の条件がそろいましたので、プラント審査の方に進めていけると考えている」「(防波壁は)かさ上げも、ひとつの選択肢として検討を、今、進めている」
そして13日。防波壁を海抜22メートルから28メートルへかさ上げする方針を明らかにした中部電力。
(中部電力 林 欣吾 社長)
「既設防護壁の4メートルの上層追設部を取り外して10メートルのたて壁を追設し、また、それを支えるために控え壁、あるいは地中壁の構築、周辺地盤の改良を行って、津波の波力や地震力に対し、十分耐える構造を考えている」
運転停止からは、すでに13年が経過する浜岡原発3号機・4号機の再稼働に向けて、中部電力は新たな一歩を踏み出しました。