2022年、浜松市の自宅で、祖父母と兄をハンマーや金づちで殴って殺害した罪に問われてい元警察官の被告の男(25)に対し、静岡地裁浜松支部は15日、懲役30年の判決を言い渡しました。

１５日間に及んだ法廷での審理で被告の男は、小中学校の頃、家族から性的暴行を含む虐待を受けた影響で解離性同一症を発症し、事件については「ボウイという別人格の犯行だった」と無罪を主張していました。

裁判では精神鑑定をした２人の医師の見解も割れ、２回目の鑑定をした医師は検察側の証人として出廷し「虚偽や誇張が含まれている可能性があり、被告本人の思考で犯行に及んだ」と指摘。これに対し１回目の鑑定をした医師は弁護側の証人として出廷し「ボウイの犯行を制御することは不可能だった」と説明。刑事責任能力の有無が争点となっていました。