放送続けて…札幌五輪テーマ曲「虹と雪のバラード」 招致活動停止で取りやめ 札幌市営地下鉄
(山﨑記者)「電車の接近時に流れるこのメロディーですが、南北線ではきょうで放送が終了となります」
札幌市営地下鉄の駅で車両が到着する際に流れる「虹と雪のバラード」。
3路線49駅のうち26駅で流れていますが、14日から16日にかけて順次、路線ごとに放送が取りやめになります。
(札幌市民)「あの曲は好きだが、特に思い入れとかはない」
(札幌市民)「ずっと耳に聞きなれていて、なくなったら寂しい」
(札幌市民)「あー、それは残念」
(札幌市民)「これ鳴ったらちょうど移動しようかとなりますからね」
(札幌市民)「これで私たちはよっこいしょって動くの」
「虹と雪のバラード」は1972年に開催された札幌オリンピックのテーマ曲として誕生。
半世紀を経たいまも、多くの道民に親しまれています。
市は冬季オリ・パラ招致に向け機運を高めようと、2019年に地下鉄の到着メロディーとして放送を開始します。
年間50万円の著作権使用料は招致活動の予算で賄われていました。
しかし、札幌市は去年12月に招致活動停止を表明し、到着メロディーの放送も取りやめることを決めたのです。
札幌オリンピックミュージアムには、いまもなお当時のレコードなどが展示されています。
(街歩き研究家 和田哲さん)「この歌をきっかけにして、自分たちが住んでいるこのマチでオリンピックが開かれたと知って、マチの歴史に興味を持った」
幼少期をこう振り返るのは、札幌の歴史に詳しい街歩き研究家の和田哲さん。
札幌の歴史を伝える遺産として、曲を流し続けてほしいと話します。
(街歩き研究家 和田哲さん)「率直に言って大変残念です。子どもたちが昔このマチでオリンピックがあったことを知ったりとか、オリンピックをきっかけにこのマチが変わったという歴史を知ったり、このマチが好きになることに繋がると思う」
市によりますと、これまでに「メロディーの放送を続けてほしい」などの声が60件ほど寄せられているということです。
14日の記者会見で札幌市の秋元市長はー
(秋元克広札幌市長)「継続してほしいという声がもし多いようであれば、地下鉄事業として接近メロディーをどうしていくのか改めて議論していく」
惜しまれつつ、また1つ歴史に幕を下ろす「虹と雪のバラード」。
東西線は15日に、東豊線は16日に放送が終了となります。