臼杵市商店街の大火事からまもなく1か月 復興に向け立ち上がる店主たち 全焼の店では自宅で営業を再開
大分県臼杵市中心部で起きた大規模な火事からまもなく1か月が経とうとしています。
被害が出た商店街では店の営業を再開する動きが見られます。
復興を目指す人たちの思いを取材しました。
11月24日、臼杵市中心部で起きた火事では住宅や店舗などあわせて15棟、およそ2100平方メートルを焼きました。
この火事により「八町大路」の呼び名で親しまれてた中央通り商店街の一角にも被害が。
この場所で長年営業を続けてきた多くの店も被災しました。
火災から3週間が経ったものの、いまだ無残な焼け跡が残る商店街…
しかし、立ち上がろうとする人たちがいました。
商店街の空き店舗を借りて14日土曜日から営業を再開したのは老舗の呉服店「京染のふじわら」です。
店主は藤原紳一郎さん。90年近く営業を続ける店の3代目です。
今回の火事で店舗兼住宅の建物が全焼しました。
◆京染のふじわら 藤原紳一郎さん
「焼けた跡をじーっと見ると親父が築き上げたものが、一瞬にしてなくなるのかと虚しい思いですかね、最初は」
被害に遭い、大きなショックを受けた藤原さん。しかし、周りからの支援や客からの再開を望む声が大きな支えになったと話します。
仮店舗では早速、2025年の成人式や卒業式などに向けた準備で大忙しです。
◆京染のふじわら 藤原紳一郎さん
「こういう(仮)店舗ができてお客さんの対応ができるのが1番うれしい。周りの人の支援に本当に感謝」
今回の火事により、およそ60年お茶の葉やお茶の道具を販売していた「松田玉香園茶舗」も被害に遭いました。
◆松田玉香園茶舗 徳丸香枝さん
「絶対、私の使命と思っている。移転する気もないし、ここで何らかの形で商売をする」
全焼した店舗の前でこう語っていたのは店主の徳丸香枝さんです。
当時の言葉通り、先週から自宅で営業を再開させました。
客からの注文を受け、自身で配送もしています。
◆客
「これからも応援していますので、頑張ってください」
◆松田玉香園茶舗 徳丸香枝さん
「その言葉が一番うれしい」
客からの温かい言葉を胸に、徳丸さんは仮店舗を構えることを目指しています。商店街にある閉店した理容室を借りることにしていて、年明けのオープンに向け、今、準備を進めてます。
◆松田玉香園茶舗 徳丸香枝さん
「アイデアはあるので先立つものも必要だけど、何とかやりくりしながら、できると思うし、良い感じ」
未だ火事の爪痕が残る商店街。しかし、ここには被災しても復興に向けて力強い一歩を踏み出している人たちの姿がありました。