「松本サリン事件」科学を学ぶ高校生に伝える 元県警捜査員が「科学技術をどのように利用するのか」語る 科学をよりいい未来のために…
8人が亡くなり、およそ600人が重軽傷を負った「松本サリン事件」。飯山市の高校で5日、当時の捜査関係者が「科学技術をどのように利用するのか」という視点で講演しました。
元県警捜査1課 特殊犯罪捜査係長 上原 敬さん
「発生は、平成6年なんですね。令和じゃなくて平成です。今から30年前なのでこの事件を知っているのはもしかすると皆さんのお父さんお母さんあるいはおじいちゃんおばあちゃんの世代になるのかもしれません。松本サリン事件というのは化学兵器を使った世界で最初の事件なんです」
飯山高校の生徒たちを前にこう語りかけたのは松本サリン事件が発生した当時、県警捜査1課特殊犯罪捜査係長として捜査に当たっていた上原 敬さんです。
1994年の6月27日。松本市北深志の住宅街に猛毒のサリンがまかれ、8人が死亡、およそ600人が重軽傷を負い負いました。
スーパーサイエンススクールとして国から科学の授業の重点指定を受けている飯山高校の授業の一環で松本サリン事件の捜査関係者を招いて開かれた講演会。リモートも合わせ1、2年生およそ300人が聴き入りました。
講演会では上原さんが事件の概要や「サリン」の薬品捜査について説明したほか、当時、「サリン」の物質調査に当たった信州大学の小澤秀明特任教授も当初、得体の知れない有毒物質を目の当たりにし混乱しながら調査した経験を伝えました。
男子生徒(2年生)
「自分たちで頑張って学んでいることが人の命を奪う悲しいことでもありますし、情報を常に疑う。注意して扱ってよりよい研究につなげられればいいと思う」
科学をよりいい未来のために利用する、、生徒たちに強い決意が芽生えたようです。