農家は「心外」市民は「悲しい」…須坂市のふるさと納税 産地偽装問題【長野】
須坂市のふるさと納税で、返礼品の産地偽装が明らかになった問題。農家からは事業者に対する怒りの声が上がる一方、市民からは市の対応について疑問の声が上がっています。
湯本翔太記者
「私の地元でもある“フルーツ王国”須坂市で発覚した、ふるさと納税返礼品の産地偽装問題。農家からは怒りの声が上がっています。」
市内のシャインマスカット農家
「須坂市でシャインマスカット作っている農家さんが全て(産地偽装)じゃないかって思われちゃう。そういうのがすごく心外です。もう本当に許せない」
市内の果樹園
「名前がマイナス面に向いちゃうのが、あんまりよろしくないかなとは思います。」
この問題は、須坂市のふるさと納税の返礼品・シャインマスカットを扱っていた和歌山県の「日本グルメ市場」が、2019年から5年間に渡り、山形県や県内の他市町村で収穫されたものを「須坂市で収穫」などと偽って、合わせて25トンを発送していたものです。
須坂市 三木正夫市長
「須坂市にご寄付をいただいた皆さま、そして須坂市の返礼品取り扱い事業者など関係者の皆さま、そして市民の皆さまに多大なご心配とご迷惑をお掛けしております。大変申し訳なく思っております。」
産地偽装を行っていた「日本グルメ市場」は、返礼品のシャインマスカットのうち、およそ9割を須坂市にある長野営業所で集荷し、発送していました。一方で、須坂市産のシャインマスカットを、九州や四国などへ配送する分は、新鮮さを保つため、「和歌山青果」から仕入れ、「日本グルメ市場」の和歌山倉庫から発送。この仕入れを担っていた「和歌山青果」が、「シャインマスカットであればなんでも良い」という認識だったため、産地が混在していたということです。
須坂市は去年11月までにこの問題を把握していましたが、今月10日までふるさと納税の受け付けを続けていました。
須坂市民
「須坂市民としては隠してほしくなかった。すぐに公表して謝ってほしかった。シャインマスカットとか果物がおいしいのを知ってるから、やっぱり悲しい。」
須坂市民
「須坂の印象が悪くなっちゃうのはすごい良くないというところと、でも農家さんは頑張って作って、おいしいものを作ってると思うので、これからふるさと納税が須坂はどうなるか分からないですけど、須坂の農家さんのブドウはおいしいので、買ってほしいなと思います。」
総務省は、ふるさと納税制度の指定取り消しの可能性も視野に、須坂市に詳細な報告を求める方針です。