「下水道のことをもっと知ってほしい」主人公はかわいい微生物 下水道事務所長の手作り絵本完成 台風19号災害を生き延びた微生物のお話 希望者には無料で配布
「下水道のことをもっと知ってほしい」
長野市にある下水道事務所の所長が処理場を舞台に水をきれいにするため活躍する微生物たちを描いた絵本を作り、10日お披露目されました。
「ある日たいへんなことがおこりました。台風の大雨でぼくたちの下水処理場がこう水に飲みこまれてしまったのです」
長野市にある千曲川流域下水道事務所が製作した絵本。タイトルは『微生物のはなし水がいをのりこえた小さな生き物たち』。
小椿アナウンサー
「絵本の舞台下水道処理施設なんですがそれがこちらです。施設の中では24時間微生物たちが水をきれいにしています」
家庭などで使われた水は、下水処理場で、顕微鏡でしか見えない微生物の働きによって汚れが取り除かれ千曲川へ流されます。
2019年10月。台風19号によりこの下水処理場も浸水被害を受けました。
「たくさんのなかまがこう水で流されてしまいました」
しかし台風から1か月後、壊滅的だと思われていた微生物が生き続けていたことが分かり、2022年3月に新たな施設が完成すると処理場の運転が再開しました。
この絵本を手掛けたのは、事務所の所長を務める渡辺剛史さんです。
去年4月に所長に就任した渡辺さん。
台風を生き抜いた微生物の話を知ると、自ら文章と絵を描き絵本にすることを決めました。
手作りの絵本は初版の30部が完成しました。
渡辺剛史所長
「生き延びたある種たくましい。そういった小さい生き物たちがいま現在も私たち人間の生活を支えていたりとか美しい千曲川を支えているという事を本書を通じて理解していただければと思います」
この絵本は、事務所で希望者に無料で配布されるほか近隣の小学校や図書館に配られる予定ということです。