県内のガソリンスタンドの間でガソリンの店頭表示価格が不正に事前調整されていた疑いがある問題。28日、県石油商業組合は県に対し「事実確認はできなかった」と報告しました。

県石油商業組合　高見澤秀茂 代表理事
「事実確認を2月13日、各支部の支部長等にしました。結果8支部の出席者それぞれに事実は存在しないとの返答があり報道の事実確認はできませんでした」

28日、県石油商業組合は県に対してガソリンの店頭表示価格の不正な事前調整は「なかった」と報告しました。今月13日に県内8支部の支部長に確認したということです。これに対し、阿部知事は…。

阿部守一知事
「13日の時点でどういう確認をされていたんですか。独占禁止法違反の疑いがかけられているわけです。これだけの報告、これで県民の皆さんが納得されると思いますか」

普段、穏やかな阿部知事が報告の内容に具体性と説得性がないと厳しく指摘しました。

この問題は２月、県内のガソリンスタンドの間でガソリンの店頭表示価格が不正に事前調整されていたという疑いが浮上したものです。２月6日には県が組合に対して実態調査を依頼し、2週間をめどに報告するよう求めていました。

県石油商業組合　高見澤秀茂 代表理事
「下部組織においてそのような （不正な価格調整）があったかのように報道されてます。もしそんなこと（価格調整）が行われているようであれば速やかに是正し、県民の信頼の回復に努めたいと考えています」

この時、組合全体の組織的な関与は否定したものの、下部組織での価格調整については含みを持たせていました。

県石油商業組合はおよそ280の事業者が加盟し、およそ500のガソリンスタンドが県内8つに分かれた支部に所属しています。

今回、問題となったのは一部の支部で支部長から電話でガソリン価格の変動幅を事前に伝えていたとされています。

この問題を巡っては２月18日、公正取引委員会が「独占禁止法の疑い」で組合に立ち入り検査を実施しています。この時、組合はテレビ信州の取材に対して「組合本体での関与はない」としていました。

そして28日、組合は改めて調査の報告としてガソリン価格の不正な事前調整の疑いを否定。

県石油商業組合　高見澤秀茂 代表理事
「公正取引員会の捜査があるので話せることと話せないことがありますということです」

具体性に欠ける今回の報告。

組合は、今後も公正取引委員会への検査に協力するとしていますが、より詳細な調査については言及を避けました。