アメリカ大統領にトランプ氏就任 信州の経済や輸出関連企業に影響は
東京からもお伝えしましたが、アメリカの第47代大統領にドナルド・トランプ氏が就任しました。演説で「アメリカ第一主義」を強調したトランプ氏。
今後、長野県の経済や輸出関連企業などにどのような影響をもたらすのか。
期待と懸念の声が聞かれています。
日本時間の21日午前2時すぎに宣誓し、アメリカの第47代大統領に就任したトランプ氏。
トランプ新大統領
「アメリカの黄金時代が今まさに始まる。この日から我が国は繁栄し、再び世界中から尊敬されるようになるだろう。シンプルにアメリカを第一に考える」
トランプ新大統領は支持者たちを前に「アメリカファースト」を訴え、不法移民の流入阻止やWHO=世界保健機関からの脱退などおよそ「80」の大統領令に署名しました。
バイデン政権から大幅な方針転換を図る狙いです。
世界が注目する新大統領の就任に、県民は…。
40代・会社経営
「読めないのが怖いですよね。いろんな情報ありますけどその中でどう動くか本当に読みづらいなと」
30代・会社員
「輸出とか輸入の制限がどれくらい日本にあるのかまた物価高とか影響してくるのかなというのが懸念」
70代・無職
「ビジネス面では良くなっていくのかなって。あと戦争を抑えてくれる気がしているので一応期待はしています」
一方、県内企業の反応は…
安曇野市でワサビの加工食品を製造・販売する「マル井」。
2000年にはアメリカに現地法人を設立し、安曇野の工場で作った加工品を輸出しています。
去年の大統領選挙の際、「最も美しい言葉は“関税”」と述べていたトランプ大統領。来月1日からはカナダとメキシコからの輸入品に「25%の関税」を課すことを検討しています。
また、中国には今後10%の追加関税を課す考えでトランプ大統領の関税政策に、信州の企業も注目しています。
マル井 井口連 社長
「加工わさびの業界は、日本国内にもわれわれの競合他社はあるんですけど、今は中国メーカーさんなんかもアメリカに輸出しているので、トランプさんがどれだけ中国に関税をかけるかによっても、出荷量に影響が出てくるのではないかと思います。直接的な影響は特にはないですけど、海外の取引先のほうからやはりトランプさん就任するに際して、非常に現地は敏感になっているというイメージはありますね」
■ 長野證券 ■
そして、トランプ大統領の行動によって、株価にも動きが。
長野證券法人営業部長 宮嶋伸明さん
「とりあえず初日での関税の発動はなかったことが好感して、日経平均は300円くらい高く始まったんですけど10時ちょっと前に2/1にメキシコ・カナダに25%の関税を検討しているというふうな報道を受けましてそこから一気に株価が下落しまして、一時20円安」
最終的に、日経平均株価のきょうの終値は、20日より、125円余り高い3万9000円ほどに。
為替についてはけさ、「154円台」を付ける場面もありましたが、メキシコとカナダの関税の話題に伴いドルが買われ、一時、156円台まで円安・ドル高が進みました。
今後の経済の行方について、専門家は…。
長野證券 法人営業部長 宮嶋信明さん
「トランプさんもマーケットフレンドリーっていうかエコノミーフレンドリーっていうか、経済に対しては敏感です。当然実業家出身ですので、アメリカファーストっていうことは経済でも当然アメリカが一番であるっていうふうな見方で政策を構築しているんだと思いますので、その恩恵というのは世界経済にも出てくる。特に同盟国である日本にもその恩恵というのは大きく出てくるんじゃないかなという感じはいたしますね」
トランプ大統領の新政権で世界はどう変わるのか。
信州からもその動向が注目されています。