利用者の減少・深刻な運転手不足 長野市でバス6路線廃止方針 県独自の新たな支援制度検討へ
長野市の中心市街地と中山間地を結ぶ6つのバス路線が今年9月末で廃止予定となり、路線の維持が課題となる中、県の公共交通に関する協議会は24日、県独自の新たな支援制度をつくる考えを示しました。
制度は今年6月の決定を目指します。
阿部知事
「教育を充実させるうえでも交通は極めて大事だと思っております。新たなバスのネットワークを維持するための支援を県として講じていこうと考えております」
24日、長野市で、公共交通の活性化を目的に開かれた県の協議会。
広域的なバス路線に対する県の新たな支援制度について意見が交わされました。
ことの発端は、3月12日。長野市の公共交通に関する会議で長野市の中心市街地と中山間地を結ぶ6つのバス路線について、「今年9月末」での廃止が発表されました。
廃止されるのは、アルピコ交通の「高府線」「新町大原橋線」「鬼無里線」「県道戸隠線」「篠ノ井新町線」。それに長電バスの「牟礼線」の6つのバス路線です。
利用者の減少と深刻な運転手不足を受けての判断ですがバスの利用者からは不安の声が聞かれています。
県道戸隠線の利用者 長野市民
「かなり不便になると思いますね。これが無くなっちゃうとほとんどバスがなくなるということで」
高府線の利用者(長野市民)
「高校へ通うのにね中条から長野の方へ通うとしたらもうバスがないから親が送り迎えということでやっぱり高校生にとって一番不都合かなと」
篠ノ井新町線の利用者長野市民(70代)
「週に2、3回は乗っているね。買い物です、駅周辺の東急とかねこの界隈の買い物。(車で)来てもこの辺駐車場が満車なんですよねお昼前後っていうとだからきょうも車おいてバスに乗ってきた
廃止される路線の沿線には「長野西高校 中条校」など3つの県立高校があります。
3校合わせて7割以上にあたる「103人」の生徒がバスに乗って通学していて
県教職員組合なども廃止に抗議しています。
長野県教職員組合 相場瑞樹 執行委員長
「私たちは路線バスの廃止によって子どもたちの学びが脅かされることを憂慮し突然の廃止方針に強く抗議し子どもたちの交通手段の確保を求める」
24日の協議会で「牟礼線」を運行する長電バスは改めて、すでに廃止の方針として、代わりとなる手段に向けた議論を強調。
廃止の申請を3月末に行う予定のアルピコ交通は、申請の取り下げもあり得るとしていますが、今後、協議を続ける方針です。
県が示した案では、生活路線と観光路線への支援を基本方針に掲げています。
生活路線では「県独自の新たな支援制度」として県の負担額を引き上げてバスの運行経費を支援します。
それでも路線の維持が難しい場合は、市町村の財政負担で補う計画です。
一方、観光路線では今月条例案が可決された宿泊税を活用する案が示されました。
支援制度は今後、見直しや検討を重ね、次回6月に開かれる協議会で決まる予定です。