【昭和100年】特集・昭和レトロ③懐かしさ感じさせる「喫茶店&温泉」
昭和100年に合わせて今月シリーズでお伝えしてきた「昭和レトロ」です。最終回は、県内のあちこちに残る懐かしさを感じさせる喫茶店と温泉を紹介します。
久慈駅駅前に立つビルは連続テレビ小説あまちゃんにも登場しました。昭和40年、1965年に建てられたもので老朽化が進んでいます。
このレトロなビルのすぐ近くにあるのが喫茶モカです。この店は駅前ビルとほぼ同じころ昭和43年に店主の樋沢正明さんが21歳の時開業しましたが 、建物はまだしっかりしています。樋沢さんがあけみさんと結婚したのは昭和47年。1972年でそれ以来二人で店を切り盛りしています。
店の壁には巨人の選手の色紙が所狭しと貼られ長嶋監督の色紙もあります。
喫茶モカ 樋沢正明さん
「うちの弟(樋沢良信さん)は長嶋さんとチーフスコアラーをやっていたから、6年間長嶋さんとずーっと仕事をしていました」
Q それで色紙をいただいたんですね、
「色紙は本当は何百枚もあったみんなあげてしまった」
この店の人気メニューが昭和レトロ感たっぷりのナポリタン。そしてたまごサンド。ボリュームたっぷりです。
樋沢さん
「ナポリタンは昭和43年からの味が本当に一緒なんです。たまごサンドはある程度改良している、それで作ったソース、それがヒットした」
Q 昭和43年から50年以上変わっていないんですね
「 56年以上変わっていません。ナポリタンは」
Q(開業当時)コーヒーが80円?
「 ナポリタンが120円、今は650円」
Q でも安いですよね
「 安いです」
平泉世界遺産の構成資産の一つ無量光院跡。その真向かいにあるのが喫茶去じゅげむ。喫茶去とは仏教用語でお茶でも召し上がれという意味。レトロな雰囲気の中でのんびり過ごしてほしいという店長の竹田由貴さんの思いから名づけられました。古いお店を改築して学校風にしました。また天井や壁には昭和のポスターなども貼られ、雰囲気を盛り上げています。
じゅげむ 竹田由貴さん
「ここに来て のんびりしていってもらいたいというのが一番の思いなんですけど、その中でこういう古い建物なのでそこを活かして昭和レトロな感じにして、それと学校というテーマもおもしろいなと思って。思い出に浸りながら懐かしんでもらいながら、ゆっくりのんびりしていってもらいたいという思いからこういうカフェにしました」
喫茶去じゅげむのメニューは洋食が中心ですが、中でも人気なのが給食ランチです。照り焼きチキンがメインで昭和の学校給食をイメージしてアレンジしました。スープやたっぷり野菜のサラダ。昔懐かしいアルミ製の食器に盛り付けられていますが、コッペパンは私たちが食べたような固いものではなくふかふかのパンでした。また日曜日限定で菓子パンなども提供されていて人気となっています。
昭和レトロな岩手の文化遺産といえば温泉。ここは花巻鉛温泉の一軒宿、藤三旅館です。特に湯治部は昔のままの建物で、廊下などは底冷えがします。炊事場があって、客は料理をしてここで長逗留するのが藤三旅館のやり方です。ガスコンロは10円を入れると6分間使えるのも昔のままです。
藤三旅館 旅館部 庄子順さん
「湯治というのが湯治文化が江戸時代から始まっていて、現代医療では治らないようなものを当館の温泉の成分によってゆっくり長く浸かっていただいて、自然由来の力で治癒していただくというものになっておりまして、そういうことを目的にされていますのは1週間、2週間と滞在していただき、お風呂に毎日長く浸かってもらって治すというところです」
藤三旅館で一番人気なのが白猿の湯です。600年前、白猿がここで傷をいやしたという謂われがあります。1.25メートルという深さで、この深さが身体に圧力をかけて血行を促進し身体に良いのだそうです。
庄子さん
「おかげさまで満室が続くことも多くなりまして、客層を見る限り若い方のほうが多く見受けられる印象があります」
古き良き時代の日本が残っていた昭和の建物や文化。その良さを次の世代に受け継いでいきたいものです。