上杉家ゆかりの寺「普門院」の本尊 修繕のため運び出す 230年ぶり寺の外へ
山形県米沢市にある上杉家ゆかりの寺、「普門院」で、寺の修繕のため4月、本尊が運び出されました。本尊が寺の外に運ばれるのは、およそ230年ぶりです。
米沢市の「普門院」は、いまから1000年以上前、人々の治安と平穏を祈るために建立したとされる寺です。火事によって一度、寺の本堂が焼失しましたが、1796年、上杉家によって再建されるなど上杉家にゆかりがあります。
寺によりますと、本尊である大日如来坐像は、今から200年以上前の1794年、西川町にある今の口之宮湯殿山神社から贈られたれたものです。去年4月、米沢市教育委員会などが調査したところ台座部分の割れや塗装のはがれなどが見つかったことから今回、修繕することになりました。
この日は、関係者に見守られながら本尊の運び出しが行われました。傷がつかないよう布などで丁寧に包装され、事前に準備していた台座にしっかりと固定していきます。
運び出しの作業を見つめるのは、住職の高橋隆文さん。米沢には結婚を機に移り住みました。寺で生活すること36年。毎日のように本尊と顔を合わせ祈りを捧げてきました。
普門院高橋隆文住職「ずっと一緒だったもんですからさみしい気持ちが強いかな」
作業することおよそ1時間。本尊は、関係者に見守られながらトラックに乗せられ、作業は終了しました。
高橋隆文住職「みんなに伝えていきたい何としてでも大日如来像を残して直さなければならないと思った。これから1年仏さまが無事にお帰りになることを楽しみに待ちたい」
本尊の修繕作業は上山市の専門業者が行い、1年後に普門院に戻されるということです。