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交通網寸断で支援困難 テックフォースが語る能登半島地震 山形県内も集落が孤立する可能性

2024年1月24日 17:59
交通網寸断で支援困難 テックフォースが語る能登半島地震 山形県内も集落が孤立する可能性
能登半島地震の被災地で緊急災害対策派遣隊、TEC-FORCEとして被災状況の調査にあたった国交省山形河川国道事務所の職員が24日、YBCのインタビューに答えました。被災地の今、そして県内で同じ災害が起きた時に何が起こるのでしょうか?

1月5日、山形市から被災地へと派遣されたテックフォースの隊員たち。隊員たちが目にした被害の状況は想像を上回るものでした。

TEC-FORCE/砂防班第1陣柴田敏明班長「アクセスのルート、道路が被害を受けていて、珠洲市に到達するまで5時間から7時間かかる状況で、調査場所に到達するのに困難な状況」

第1陣として、珠洲市で土砂災害の被害状況の調査にあたった柴田敏明さんと、穴水町で道路状況の調査にあたった蔦屋紀幸さん。現場に到着したものの、すぐに調査ができる状況ではなかったと振り返ります。

TEC-FORCE/道路班第1陣蔦屋紀幸班長「発災し間もなかったので、町役場の人自身も被災者。なかなか町内の道路状況の把握に手が回っていなかった。第1陣としては、どこのルートを通れるのか、主眼に置き調査した」

通れる道路が日々変化することに苦心したといいます。

TEC-FORCE/道路班第1陣蔦屋紀幸班長「町からは通れると言われて向かった道路で、通れなかった道路があった。道路の半分が崩れ落ち、思わず止まってしまうような、大きなのり面崩落が起きていた。いろんなルートを通りながら、いかに早く現地に着いて動けるか。出発したときから苦心して回った」

限られた時間の中で調査活動。1月11日から交代して穴水町の道路調査に入った半田さんは天候にも影響を受けたといいます。

TEC-FORCE/道路班第2陣半田清美班長「時期が1月で寒い、雪は2時間で10センチぐらい積もった。現地調査を少しでも進めるために山側ではなく、雪が積もっていない海側の路線から始めた。東日本大震災の時の支援のお返しではないが、少しでも復興に貢献できればという思いで対応した」

支援活動の最大の障害となったのが交通網の寸断です。今回の地震では半島という特性上、被災地周囲の国道や自動車道が寸断され、被害が大きかった奥能登方面へのアクセスが限られました。

TEC-FORCE/道路班第1陣蔦屋紀幸班長「メインとなるルートが寸断され、少ないルートに集中してしまい、かえって復旧の妨げになってしまったと感じた」

そして隊員たちはもし同様の地震に県内が見舞われた場合の危険性を指摘します。

TEC-FORCE/砂防班第1陣柴田敏明班長「石川県でも積雪があったが、山形県内の山間部になると積雪が桁違い。土砂災害の危険区域の確認が困難を極めてしまう可能性がある。一概に災害が起きれば孤立するとは言えないが、そういう危険性もある」

県のまとめでは災害時に孤立する恐れがある集落は県内に441カ所あるとされています。

TEC-FORCE/道路班第1陣蔦屋紀幸班長「積雪で倒木があると、前の日まで通れた所が通れなくなるなど、日々変わってくる可能性もある。道路状況の調査をこまめにして把握する必要がある」

土砂災害に積雪が加わると孤立集落への支援をさらに困難にすると訴えます。
現在、県内からは酒田河川国道事務所から4人が珠洲市で土砂災害の調査を行っていて、26日まで活動する予定です。


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